この日記は全てノンフィクションであり、登場する人物・団体名などは全て実在のものです。
9月
9月30日(月)曇り時々雨
ちょいとご無沙汰の「中国鍼灸院」さんへ。

「英語漢解」

呉炳宇

恋人事多過、(恋人事多きに過ぎ)
  Lover → over
友人常有終。(友人常に終わり有り)  Friend → end
嘘困中間信、(嘘中間に困じて信なり)  Believe → lie
理解下立同。(理解下に立つに同じ)  Understand → under stand
生活順調美、(生活順調なれば美なり)  Live
逆反悪難容。(逆反なれば悪容れ難し)  Evil

(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)

好いとる子がおりゃいろいろ煩わしいことが多かと
友達はだいたいどっかで離れていくと
嘘もちっとあったほうが信じてもらえると
自分ば低くしたらいろんなことがわかると
生活が順調ならよかばってん
逆になったら最悪や


今回は英語の単語の解釈を漢詩にしたらしい。

Loverの中にoverが含まれることから「恋人事多過」
Friendの中にendが含まれることから「友人常有終」
Believeの中にlieが含まれることから「嘘困中間信」
Understandの中にunderとstandが含まれることから「理解下立同」
Liveという単語から「生活順調美」
Liveを逆にしたEvilという単語から「逆反悪難容」

というしくみになっている。実に面白い言葉遊びだ。
呉先生の発想はいつもユニークだ。
 
「英語」

下に立ち 理解といふは 巧みなり
英語砕いて 何をか学ばん

9月28日(土)晴れ
今日からエラリー・クイーンの「ギリシア棺の謎」に挑戦中。やはりスバ抜けて面白い。こういうものが書ける頭脳が欲しい。
夜、DVDで映画「コンテイジョン(Contagion)」を見た。ウイルス感染が世界中に広がってパニックになるというよくあるパターンの映画だが、非常にシリアスに描かれていて全体に緊張感があって良かった。監督はスティーブン・ソダーバーグ。やっぱこの人の映画はいいな。
 
明日は日曜日だが一日仕事。

「ため息」

ため息や そして九月も 終わりかな

9月26日(木)晴れ
E・C・ベントリーの「トレント最後の事件」を読み終わった。10日間考えたがわからなかったので、降参して残りを一挙に読んだ。降参して正解だった。おそらく何日かけても正解にはたどりつかなかっただろうと思う。というのはあまりに非現実的なのですぐに捨てた仮説が正解だったからだ。いやいや、そんなの無理って、ありえんて、と思いつつ読み終わって、名作と言われる割にはちょっとがっかりさせられたなと思いつつ解説を読むと、なんとこれは推理小説を皮肉った推理小説だったのだ。なるほどそれなら理解できる。わざとありえないトリックや執拗などんでん返しを繰り返して、「推理小説ってこんなんでしょ?違う?」みたいな挑戦的姿勢は確かにうかがえる。作者にしてやられたわけだな。そういうのもまた面白いかもしれんな。

「本」

彼岸すぎ 読みたき本の 多過ぎて

9月23日(月)晴れ
今日もまずはお墓の掃除。それからお寺へ。お彼岸だからお寺には人がたくさんいたが、年配の人ばかり。知った顔は一人も見なかった。
お寺は姉貴と行った。我が家の仏壇に供える饅頭は持ってきたのに、姉貴は自分の家のを忘れていた。饅頭は6個あったので、姉貴は「あのさぁ、相談なんやけどさぁ、うちに2個くれん?」とひそひそ声で訴えてきた。しょーがない嫁だ。仕方なく分けてやった。
午後からは小屋にある我が家のぐちゃぐちゃに並べられた蔵書の整理をした。すぐ終わると思って始めたがなんと3時間もかかってしまった。すごい量だった。さすがに疲れた。

夕方の便で帰福。様々に心残りはあるが仕方ない。
 
「帰れぬ時」

おもふほど 同じ故郷に あらざりき
帰れぬ時の 美しさかな

9月22日(日)晴れ
いろいろ仕事が待っていた。まずは姉貴の家のパソコンのメンテナンス。里帰りしても仕事してるし。 その後は買物。そして午後から墓参り。その後は親父の携帯の機種変更のためにソフトバンクへ。対馬ではソフトバンクはつながりにくいので不評だ。もっとエリア充実して欲しいやね。
夜は義兄も参加で焼肉の宴。ビール飲む飲む。肉食う食う。腹いっぱいの幸せ。その後アイスまで食うし。帰ってからかなり鍛えないといけない。

「肉」

肉ビール 肉肉ビール 肉ビール

9月21日(土)晴れ
今日から三日間対馬へ里帰り。恒例の墓参りのため。
今日は仕事を終えてからの出発だったので夕方に対馬到着。家族で久しぶりの”いりやき”で宴。久しぶりのおふくろの味。いいもんだ。まだおふくろの味を味わえることに感謝。両親はスローテンポにはなったがまだまだ元気そうでホッとした。
里帰りするとどうも食べ過ぎてしまうので体重の増加が怖い。せっかく減量に成功しつつあったのが振出にもどりそう。来週はまた猛トレーニングだ。

「故郷」

里の風 おふくろの味 我が故郷

9月17日(火)晴れ
今日は仕事が終わってから姫と待ち合わせてコンサートへ。姫のピアノの先生がリサイタルをされるということで行ったわけだが、非常に素晴らしい内容で感動した。ピアノの独奏だけでなく、ピアノと朗読、ピアノとバイオリン、ピアノとクラリネット、ホルン、フルート、ファゴット、オーボエの組合せの演奏もあって、しかもかなり前の席で聞けたので大満足だった。
やはりクラシックは生で聞くに限る。

帰宅は遅くなったが、連休中トレーニングを休んでたので頑張って上半身のメニューをこなした。

「気迫」

弾く人の 気迫も見える 三列目

9月16日(月)晴れ
気持ちいい秋晴れなので弁当を買って近くの公園までサイクリング。日差しはきついが風が心地よく、まさにサイクリング日和だった。
 
先日からチャレンジしていたエラリー・クイーンの「フランス白粉の謎」を読み終えた。結果は見事勝利!犯人を当てることができた。これでエラリー・クイーンとは4勝2敗かな?今回は意外と早く結論を出せた。全体を隈なく説明できるほどからくりがわかったわけではなかったが、たった一つだけある人物が腑に落ちない行動をした点に気付いて、もしこの人が犯人ならと仮定して考えてみた結果、「あ、この人なら全てにあてはまる」とわかった次第。その瞬間は実に爽快な気分だった。
エラリー・クイーンはちゃんとわかるように手がかりを用意していた。いつもながら素晴らしいフェアプレー。
 
「EQ」

EQの スタイル 我の 目指すもの

9月15日(日)曇り
涼しくなってきたということで登山シーズンやな。実に20年以上ぶりに宝満山に登った。前回は若き20代のサラリーマン時代。その時は正面から登ったので今回は昭和の森からのコースを選択。
天気は曇りだったが時々雨がぱらついたり、かと思うと晴れてきたりと不安定だったが頂上では雨もなく風が心地よかった。景色もそこそこ見れた。
若き日の印象では”宝満山はきつい”というのが残っていたが、今回登ってみた感じはそれほど苦痛ではなかった。あれから山もかなり登ったし、日々トレーニングもしてるから若い頃より体力がついたのか??
 

 
姫が山を下りながら、「ジェラートが食べたい」とか言い出すので帰りにVITOでジェラート。マンゴーめっちゃうまかった!

夜は当然のごとくビール。水のようにごくごくと。
食後にDVDで映画「僕のエリー」を観た。北欧のヴァンパイアもの。ホラーなのに芸術的、抒情的で非常に良かった!ヨーロッパの映画はホラーといえど品があって実にいい。
 
「宝満」
 
宝満で 膝が笑った 若き日の
弱さを知りて 苦笑いかな
 
9月12日(木)晴れ
現在の筋トレメニュー。

[上半身の日のメニュー]
プッシュアップ3種 各16回×3セット 合計144回
アームカール 左右各10回×2セット
ショルダーシュラッグ 10回×2セット
アームエクステンション 左右各10回×1セット
ワンハンドローイング 左右各10回×1セット
リストカール 左右各10回×1セット
コンセントレーションカール 左右各10回×1セット
ダンベルフライ 10回×1セット
ダンベルベンチプレス 20回×1セット
シットアップ8種 各40回×1セット 合計320回
ストレッチ

[下半身の日のメニュー]
ランニング5km
シットアップ8種 各40回×1セット 合計320回
ストレッチ

当面の目標は、
・チェストプレス107kgを上げること
・ワイドグリッププルアップを10回以上できるようになること
・体重66kg以下
・体脂肪率15%台


達成するまでやめない。
達成してもやめない。


「努力」
 
空振りの 続く努力と 知りつつも
丘のむこうの 景色に惹かれて
 
9月11日(水)晴れ
今時は結構標準装備になりつつあるのかもしれんが、ワシは今回の車でバックモニターというものを初めて経験する。これはおそらく初心者の人には大いに助けになるだろうが、ワシのように自分の勘で長年やってきた人間からすると微妙な存在だ。あとどれくらい下がれるかを確認するには便利だが、バックする時に出てくるラインとハンドルのラインを参考にすると、車を降りた時に微妙にずれてたりする。今まで通りにやるほうがぴしゃりと入ったりする。使い方がまずいのだろうか?
結論として、車の体勢を整えるまでは自分の勘でやり、まっすぐ後ろに下がる時だけモニターを見るようにしている。

テンちゃんはハイテク満載なのはいいが、スポーティな走りをすると説教されることがある。「今のは急発進です。安全運転を心がけましょう」といきなり言われてビックリしたことがある。エンジンを切った時にモニターに今日の走りはよかっただの、もう少しだの、批評される。ちょっとうるさい気もする。
しかしまぁ、車の発展も果てしないわな。そのうち車と対話する時代が来るのかもしれない。

「テンちゃん」

テンちゃんに 峠をせめて 怒られる
ならばなぜある パドルシフトよ

9月8日(日)曇り
今日は姫の誕生日。今から約2ヶ月間はワシが年下。ふふん。

午前中、蔵書の整理をした。全部はとても無理だから推理小説だけ。
十代の頃から持ってるものもあるのでかなりの数ある。アガサ・クリスティだけで39冊、松本清張は42冊あった。誰の何を読んだかもはや覚えていない。調べてみるとやはり同じものが二冊あったり、買おうと思っていたものを既に持ってたり。だから時々整理して一覧にしておかないといけない。最近は古本屋の棚の前でいつも悩む「これ持ってたような気がする・・・」。だから整理した一覧表を携帯に入れて常にチェックできるようにした。これなら安心。
 
整理しながら思った。日本の作家は、特に売れっ子作家は勢いに乗って駄作も発表しているから当たり外れが結構ある。だが海外のものは厳選して翻訳されるのでそれがない。だから海外のものを買う方が安心感はあるなと。だが翻訳した人によってうまい下手があるのでそこが難点。傑作をより良くするも台無しにするも翻訳者次第。責任重大な仕事だな。

午後はブラブラと散策。ジェラート食べたり、雑貨屋さんを覗いたり。 夜は近所の寿司屋「高鮨」に行った。ここは抜群にうまかった。感動的だった。味にうるさい姫も喜んでくれたからホッとした。ここは是非常連になりたい。

「年下」

ささやかな 若さを誇る 二ヶ月間

9月6日(金)晴れ
なんだかすっかり涼しくなった。こないだまでの猛暑が嘘のようだ。あまりに唐突な秋の始まりだな。

高木彬光、森村誠一、江戸川乱歩などを読み漁っている。そして来週からはまたエラリー・クイーンの謎解きにチャレンジする予定。その後はE・C・ベントレーが待っている。
エラリー・クイーンの最大の魅力は手がかりが揃ったところで読者に教えてくれることだ。ここまでの内容で犯人とからくりがわかるよと明示してある。だからいつもそこまで行くと読むのをやめてじっくりと考える。時には一週間以上考えることもある。そして自分なりの答えを用意して、種明かしの部分に読み進む。正解の時もあればそうでない時もある。これが楽しい。
海外の古典はまだ産業的、科学的、医学的進歩の乏しい時代の産物なのでトリックもいたってシンプルで理にかなっており、種明かしの後に「あぁ、なるほど。その手があったか」と納得できるものが多いから好きだ。
江戸川乱歩による海外の傑作の批評などを読んでると、まだまだ自分の知らない傑作が山ほどあることに気付かされる。それらを死ぬまでにどれくらい読めるだろうか。ワクワクするやね。

「謎解き」

謎解きの 虫がうずくや 秋の夜

9月2日(月)曇り時々雨
中国鍼灸院」にて。前回は心筋梗塞の前兆だったが、今回は脳梗塞の前兆の漢詩。

「脳梗前兆」

呉炳宇

左右眉高低不等、(左右の眉高低等しからず)

一双目大小不均。(一双目大小不均しからず)
口斜流涎多不覚、(口斜めにて流涎多きを覚らず)
物忘手揺脳病因。(物忘れ手揺るは脳病の因なり)

(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)

左右の眉の高さが揃わんとか
左右の目の大きさが違うとか
口が斜めになって涎出よるとも気付かんとか
物忘れして手が揺れるとかは脳の病気の前兆ばい


へー、そうなんや。眉の高さとか目の大きさが左右で違うとやばいなんて知らんかった。
先人によって伝えられたノウハウが一番信用できるわな。


「脳梗前兆」

教わりて 思わずさわる 己が眉

9月1日(日)雨
 そんなことはみんなどこかの遠いできごとのようでした。
 もう又三郎がすぐ目の前に足を投げだしてだまって空を見あげているのです。いつかいつものねずみいろの上着の上にガラスのマントを着ているのです。それから光るガラスの靴をはいているのです。
 又三郎の肩には栗の木の影が青く落ちています。又三郎の影は、また青く草に落ちています。そして風がどんどんどんどん吹いているのです。
 又三郎は笑いもしなければ物も言いません。ただ小さなくちびるを強そうにきっと結んだまま黙ってそらを見ています。いきなり又三郎はひらっとそらへ飛びあがりました。ガラスのマントがギラギラ光りました。

  (宮沢賢治 「風の又三郎」)

今回の台風は又三郎だったのかもしれない。
今年もまた秋を運んできてくれた。


今日はジムでみっちり鍛えた。ワイドグリッププルアップが7回できた。
夜はDVDで「スーパーチューズデイ」を見た。なかなか面白かった。選挙の恐ろしさを知らされた。


「又三郎」
 
野分して 秋運ぶなり 又三郎