この日記は全てノンフィクションであり、登場する人物・団体名などは全て実在のものです。
2月
2月27日(金)晴れ

去年、フィレンツェに行った時に参加した山の料理教室で一緒になった関東在住のKさんが仕事で福岡に来るということで、「レキップ」で一緒に食事をした。旅で出会った人にまた違う場所で再会できるというのはちょっと感動ものだ。話ははずんでワインを2本空けてしまった。次回はKさんの住む街で再会しようということになった。ワシらの関東方面への旅行の理由ができた。
あぁそれにしても「レキップ」はうまい・・・。

「一期二会」

一期二会 一期三会と なりつれば
旅の出会いの おもしろきかな

2月23日(月)晴れ
朝一番で九大病院へ。先日のMRIの結果が出た。担当の先生と話し合って、手術することが正式に決まった。これから日程の調整に入る。おそらくすっかり春になっている頃ぐらいになるかな。
血管腫を全て除去できるかどうかはわからないということだった。つまりいずれはまた再発するかもしれないということ。何年かおきに同じことを繰り返すことになるかもしれない。まぁしょうがないか。悪性じゃないから良しとしよう。
入院した時に読む本を決めておこう。

「ため息」

いささかの 禍つねに たずさえて
歩む旅路や ため息ひとつ

2月22日(日)曇り
これまで京都の主な寺や神社は大よそ見てきた。そこで今日は有名どころでまだ行ってない所に行こうということで、「六角堂」へ行った。
ここで驚くのはまず聖徳太子が創建したということ。建物は何度か建直されてはいるが、なんとまぁすごい歴史を持っていることか。
そしてもう一つ。ここは生け花発祥の地。生け花をする人にとってはまさに聖地だ。もとは毎日仏前に花を御供えしているうちにその形が確立されていったそうな。裏手に池の跡(聖徳大使が沐浴したらしい)があるが、その近くに僧侶の住坊があったので、「池の坊」という名前になったそうな。なんでも由来というのは面白いもんだ。
本当に六角形なのか、下からではわかりにくいので横にあるビルの展望エレベーターから見下ろせるようになっている。早速乗って上から見ると、まぁきれいな六角形。看板に偽りはなかった。





その後はぷらぷらと買物しながら歩いているうちに八坂神社の近くまで来たのでふらっと入ってみた。するとちょうど能舞台のところで日本舞踊の発表会らしきことが行われていて、子どもから先生まで順に出てきて踊りを披露していた。いいものをタダで見れてよかった。外国人客は動画を撮影していたが、これはいい思い出になっただろう。



昼食は親子丼。これもこのシリーズのお約束。今回は「権兵衛」。ここはなんと日本一親子丼がうまいという定評があるそうな。食べてみると意外にあっさりでビックリ。さすがに味が上品だ。いくらでも食べれそうな気がした。今まで食べた8店の中では確かに首位を争うものだった。

昼食後は京都駅に戻り、アイスを食べて少し休憩してから京都を後にした。
 
冬の京都は自転車はつらいだろうという判断で、自転車の時のように盛りだくさんのメニューにはせず、テーマもシンプルにした。おかげでゆったりとした 旅行になってこれもまたよかった。
それにしても何度来ても飽きない京都。イタリアもそうだが、何度も行きたくなる所はおいしいものと歴史があるのが特徴だ。この2ヶ所はなんともやめられない。

「京都駅」

右左 もはや迷わぬ 京都駅
むしろとまどふ 博多駅かな

2月21日(土)晴れ
天気は見事なほど晴れ渡った。体調もバッチリの状態で、いざ「伏見稲荷」へ。
全国に30,000はあると言われる稲荷神社の総本山は、稲荷山を麓から山頂まで覆うほどの圧倒的な規模でその威容を誇っていた。
 

 
早速麓からスタート。赤い鳥居がトンネルのように連なる中をせっせと登った。 外国人に人気の観光地の第一位というだけあって、様々な言語が聞こえてきた。セルカ棒で自撮りする人をたくさん見た。この光景はどこの国の観光地も同じだな。
 

 

 
なかなか傾斜がきつい場所もあるしコースも長いので上に行くほど人は減っていった。おかけで上の方ではゆっくり写真が撮れた。
 
思ったよりも楽に山頂に達した。低いとはいえ(233m)一つの山なので山頂までの登りは結構きついだろうと覚悟して行ったがそれほどでもなかった。
 

 
大小様々な鳥居は誰でも寄進すれば自分の名前が入ったものをあの列の中に加えることができる。値段によってサイズが決まるが、手で持てるほどのミニチュアでも175,000円。一番大きなものは130万円以上もする。だが基本的に木製なのでいづれは朽ちていく。だから赤い列の中で鳥居が欠けている場所もあった。
 

 
途中の四つ辻にある眺めのいい茶屋で少し早めの昼食。メニューはもちろん、きつねうどんといなり寿司。しかしこんな山の上で店が繁盛するなんて、稲荷山ならではだな。
”山の上の観光地の茶屋で出されるうどん”という先入観から、平均的な味を予想していたらさにあらず、うどんも稲荷ずしもおいしくてビックリ。世界中から客がわんさか来ることがわかっていても手を抜かず一流の仕事をするその姿勢には脱帽。
 
稲を荷なうという意味からきた稲荷神社なので五穀豊穣の神様らしい。稲荷信仰の信者さんは非常に信仰心厚く熱心だと聞いたが、登る途中にいくつもある神社の前で真摯に祈る人を何人も見た。稲荷信仰というものの一端を見るようで非常に興味深いものがあった。
 
伏見稲荷を後にして次に向かったのが伏見桃山の酒蔵めぐり。だがその前に同じエリアにある「寺田屋」へ。
ここはあの幕末に薩摩藩の過激派とそれをなだめに行った鎮撫使の同士討ちとなった寺田屋事件の舞台。そして坂本龍馬を捕らえにきた伏見奉行所の捕手から龍馬を守るために、お龍さんが風呂場から裸同然の姿で二階に駆け上がり、龍馬に急を告げたという逸話を残す場所でもある。
幕末の様々な事件の現場は、大きな神社や寺は別として、民家や宿屋だったところは碑が残っているだけという場合が多い。だからこの寺田屋のように当時のまま残っているというのは極めて貴重だ。あぁここで斬り合いになったのか、これが刀痕か、これがお龍さんが駆け上がった階段か、と的確に過去を見せられるようで本当に感動した。
 

 
寺田屋の後はお待ちかねの酒蔵めぐり。覗いたのは黄桜と月桂冠。黄桜で一杯、月桂冠では大吟醸二杯とプラムワインを一杯飲んですっかりいい気分になった。 この酒蔵めぐりでは日本酒を作る工程や昔の道具などを見学できたので、非常に楽しく有意義だった(月桂冠の商売のうまさも勉強になった) 。
 

 


夕食は以前にも行って感動した出町ランプへ。また絶品のつまみでグラスワインをいろいろ飲んだ。
このシリーズも既に8回目なので、今後は今まで行って美味しかった店の再訪というのもいいかもしれない。
 
その後、京都駅まで戻ってコーヒーを飲んでからホテルに帰った。 たくさん歩いて、いろんな経験をした一日だった。

「伏見稲荷」

朱の鳥居 祈りの声や 道の先

2月20日(金)晴れ
12ヶ月全ての京都を楽しむシリーズも8回目。今回は2月の京都を楽しむ。テーマは「伏見を楽しむ京都」ということで、伏見エリアを集中的に堪能することにした。
 
今日は姫が午前中仕事なので1時の新幹線で出発。ホテルに到着して少し休憩したらもう5時になっていた。
今回のホテルは「ホテル近鉄京都駅」。これが最高にアタリ。まだ新しい設備や細かい配慮がツボをついていた。駅直結なので移動にも最適。ここは是非また利用したい。
 
夕食はホルモンで有名な「アジェ」。韓国でよく見かけるような庶民的な雰囲気のお店で、開店から予約客で満員になる人気ぶり。 どの肉も本当に質がよく、ビールをがぶ飲みしながらかなり食べた。実に幸せなひと時。
こういう庶民的なグルメにおいても京都は抜きん出ているのだろうか?また新たな魅力を発見したかもしれない。
 
その後は河原町までぶらぶらと歩いて、「エレファントファクトリーコーヒー」でまったりとコーヒーを飲んだ。ここのコーヒーも最高だった。
 
明日は稲荷山を全て踏破するつもりなので、ホテルに戻って早めに寝た。

「ほそしお」

ほそしおの 歯ごたえ新たな 京都かな

2月18日(水)晴れ
昨日はお袋の付添で原三信病院へ。今日は自分のMRI検査で九大病院へ。お袋の方は順調で一安心。相変わらず元気だし、この分じゃかなり長生きするんじゃないかと。
ワシの方の結果は来週月曜日にわかる。まぁおそらく手術ということになるだろう。また入院だな。この腫瘍をとることは今年の目標の一つ。前回みたいに長いこと悩まずにさっさと終わらせたい。余計な心配事を除去してもっと仕事、勉強、トレーニングに集中したい。

「母」

待合の 隣の人の 症状を
医者よりうまく 母聞き出せり 

2月15日(日)曇り
ランと筋トレの日は基本的に分けてるが、ごくたまに両方やることはある。そういう時にはランは5kmにとどめておく。だが今日は10kmランの後に筋トレをしてみた。もともと今日はちょっと疲れ気味だったせいもあったが、正直かなりこたえた。終わった後しばらく立ち上がれないくらいだった。だが考えてみるとそれぐらい追い込まないといけないわけで、ちょっと最近のトレーニングはあまかったかなと反省。
今月は既に90km達成。後半は筋トレをメインでいこう。

「筋トレ」

今更に 身体鍛えて なんになる
考えつつも やめれぬ不思議

2月14日(土)晴れ
今日はバレンタインデーということで、夜は姫のおごりで肉料理のお店「ロベール・エ・ルイーズ」へ。ここは人気のお店で予約がとりにくい。前から狙ってはいたがなかなか行けず、今日になった。ここはワインがおいしいのでついついグラスで何杯も飲んでしまい、合計してみるとボトル1本以上1人で飲んでいた。こんなに飲むのは久しぶり。赤も白もうまかった。料理も良かった。店内にある窯で薪を使って約1時間かけて焼かれた肉は最高だった。ローマで食べたビステッカを彷彿とさせた。実に実にうまい夜だった。

「たきもん」

いぶされる においは遠き ふるさとの
風呂のたきもん 懐かしきかな

2月13日(金)晴れ
そろそろ京都旅行が近いのでここ最近は予習中。12ヶ月全ての京都を楽しむシリーズも今回で8回目。早いもんだ。今回のテーマは「伏見を楽しむ京都」ということで、伏見稲荷神社をメインターゲットにしている。神社と稲荷山だけでもたっぷり遊べそうな感じだ。ワシらはまだ九条より南で遊んだことがないので、また新たな京都が発見できそうで楽しみ。

今日は夕食後に姫が10km走るというので珍しく2人して夜ラン。今日着たサウナスーツは今日限りで引退して貰った。買ってわずか1年で引退。ビックリするほど不良品だった。安かったというだけで飛びついたワシがバカなんだが、一度洗っただけで裾の紐ははずれ、洗うたびにあちこち破れて、最後は腕を上げればジュディ・オングかプレスリーみたいに破れた部分がぶら下がる状態にまでなった。横で走る姫がケラケラ笑っていた。どんなものも安物は買うべきではないな。結局は損だ。一方でやはりナイキやアディダスは何年着ても大丈夫。多少高くてもやはり確かなメーカーのものを買おう。

「買物」

安かろう 買う時見えぬ 悪かろう

2月8日(日)曇り
博多座に二月花形歌舞伎を見に行った。今回の演目は「慙紅葉汗顔見勢」、通称「伊達の十役」。市川染五郎が一人で善悪男女十役をこなす。その早替わりが見物。十人の人物を演じ分けるのも至難の技だろうに、それを早替わりで演じるから本当に圧倒された。しかも早替わりはなんと四十回以上!しっかり見てたつもりだが、一度だけいつ替ったのかわからない場面があった。それほど巧みで、驚きの連続だった。本当に素晴らしい舞台だった。たっぷり満喫させてもらった。
最近ようやく動きと音の調和を楽しむことができるようになった。ちょっとだけ歌舞伎向きの感性が育ってきたかな?

「染五郎」

早替わり 息もつかせぬ 染五郎
善悪男女 またたくうちに 

2月7日(土)曇り
サラリーマン時代に上司だった人が急死して、今日告別式に行ってきた。闘病生活をしているとは聞いていたが、命に別状はないということだったのでまさかの展開だった。容態が急変したとのことだった。10数年ぶりの再会がこんなことになるとは思わなかった。今はただ冥福を祈るのみ。

夜、DVDで韓国映画「怪しい彼女」を見た。基本的にコメディなんだが、老人問題がテーマで深く考えさせられる部分が大いにあり、また涙を誘う場面も多く、素晴らしい完成度の作品だった。今のお年寄りの方たちの奮闘があってこそ、今の豊かな暮らしがあることに感謝しつつ生きなければならないと心から思った。こういう心に何か一つ確かなものを残す作品は本当に素晴らしいと思う。

「恩」

恩を受け 謝すべき人の 先に逝く
届かぬ思い ただ手を合わす

2月3日(火)晴れ
頬の血管腫の診察で九大病院に行った。唇の血管腫を手術したのが2009年の1月。あれからもう5年経過した。このまま無事にすむかと思ったが人生なかなか厳しいもんで、前回小さくて取らなかった頬の腫瘍が去年の春から急に大きくなりだした。そして今日からまた治療の日々が始まる。 今回もおそらく手術になるだろう。
なかなか平穏無事には生きられないもんだ。身体のこと、金のこと、家族のこと、ご丁寧に次から次だ。まぁ誰でも多かれ少なかれその起伏を克服しながら生きてるわけだから愚痴ってもしょうがないが。一つ一つクリアしていくしかないわな。全く疲れる人生だ。
いつか全てがクリアになって、心の底から幸せを感じるような日が来るのだろうか?

「苦」

苦の後に 待つは新たな 苦にすぎず
されど彷徨ふ 光求めて
 
2月1日(日)晴れ
今日から2月。気持ちよく晴れて風もなく、気温低めで時間はたっぷりある。そうなるとロングランしないわけにはいかない。自宅から20kmひたすら南へ。だいぶ20kmという距離の間隔がつかめてきたので、今日は少しペースを上げて走ったら、前回よりかなりタイムを短縮できた。この距離に身体を慣らさないといけない。そうなればもっと走るのが楽しくなるはず。

夜は姫がミネストローネを作るというので、シチリアの赤を合わせた。やっぱりワシはイタリアワインが一番好きかもしれない。「トレバンビーノ」がいいものばかり仕入れているからだろうか?
 
「風はなし」
 
静かなる 日曜の午後 風はなし
走るしかない 如月の空