この日記は全てノンフィクションであり、登場する人物・団体名などは全て実在のものです。
12月
12月31日(土)晴れ
今年の主な出来事。

・不動産の仕事で独立し、「株式会社トータルフロート」を設立。8月から営業開始。

・頬の腫瘍のための病院行脚はとりあえず福大病院にしぼった。

・語学の勉強はぼちぼち継続中。

・月間100kmランと筋トレも継続中。夏の間しばらくランを休んだが10月から再開。

・ゴールデンウィークに波佐見陶器市へ。

・夏休みに呼子へ。イカを食べて名護屋城跡を散策。

・ニューヨーク旅行。スケールのでかさに圧倒されたと同時に自分がいかに小さいかを思い知った。

・毎年恒例の京都旅行は12月。テーマは「叡山の冬」。比叡山延暦寺と琵琶湖の眺めに感動。

・年末恒例の温泉は2年前と同じ南阿蘇の「心乃間間」。復興支援のつもりで。

・登った山は「鶴見岳」、「羽金山」、「韓国岳」、「皿倉山」、「権現山」、「帆柱山」、「花尾山」、「風頭山」、「風師山」、「矢筈山」、「足立山」、「砲台山」。

・えしぇ蔵クッキングはパスタに集中。だいぶうまくできるようになってきた。

・印象に残った本はアイラ レヴィンの作品。過去に読んだ名作の読み返しで夏目漱石の凄さを再認識。


会社設立の件で今年は今までで最も多く書類を書いたと思う。本当にすったもんだで振り回されて、あっという間に一年が終わった気がする。
来年は自分のため、そして会社のための一年にしたい。

(今年一年でお世話になった全ての皆様に感謝申し上げます。)

「夢」

夢追いつ 他事にとらわれ 夢置きつ
他事片付けて また夢追いつ

12月29日(木)雨のち曇り
この宿は朝食がおいしいのも特徴。だが量が多過ぎ!こんなに食えねぇよというほど大量に出る。しかもフルーツやヨーグルトやパンケーキは自分で好きなだけ取りに行けるビュッフェスタイル。ワシが昔ほど食べられなくなってるせいかもしれないが、ビュッフェまではとても手が出なかった。

チェックアウトが11時なので朝食後もゆっくりできるのが嬉しい。まったりと過ごしてから宿を後にした。
せっかく南阿蘇に来たので、パン屋や道の駅などで買い物をしてから帰った。

募金することも役に立つだろうが、こうして旅行をすれば自分たちも楽しいし現地の復興にも貢献することができる。今回の旅はいつもより有意義だったような気がする。

「支え」

湯と美食 楽しむことも 支えなり

12月28日(水)晴れ
年末恒例の我が家の忘年会。今年は2年前にも訪れた南阿蘇の「心乃間間」。今回またここを選んだのは、お風呂も料理も最高なのでまた利用しようと話していたし、熊本の地震でこの宿も被害を受けたのでワシらが泊まることで少しでも復興の力添えになればと思ったから。

宿に向かう途中には未だにあちこちに地震の被害を思わせる箇所がいくつもあった。広大な土地にずらりと並ぶ仮設住宅を見るとなんとも胸にせまるものがあった。
道路もまだまだ通れないところが多いので多少迂回せざるを得なかったが、今月24日に俵山トンネルが再開したのでだいぶ南阿蘇への時間は短縮されていた。ワシの車のナビは通れない箇所は×がついて道路が黒く表示されるが、ナビの画面があんなに黒くなるのを見たのは初めてだった。

宿に着いてみるとすっかり復活されていて、どこが被害にあったのかわからないほどだったが、後で聞くと復活までの道のりは大変だったらしい。
以前の部屋の隣の部屋に案内され、食事までの時間は部屋にある温泉にゆっくりとつかったり、畳に寝転んで本を読んだりしてのんびりすごした。







夕食はこの宿の一番の売りである”箸で食べるイタリアン”。これがなかなかのお味の上にボリュームがすごい!ワインもたくさん飲んで、満腹度はかなりのものだったが、野菜が多いせいかもたれることはなかった。

部屋に戻ってもう一度ゆっくり風呂につかった後、また読書してから寝た。静かな静かな夜だった。

「仮設住宅」

寒空や 仮設の宿の しめ飾り

12月25日(日)晴れ
夕べは毎年恒例のクリスマス礼拝への参加。場所も毎年同じ「大名クロスガーデン」。今年は時間が1時間遅くなったせいか、例年より参加者が少なかった。 年に一度の荘厳な空気。いいもんだ。

今日は朝掃除を終えてから10km走った。最近は走った後に腿が疲れるからどうもおかしいと思って調べてみるとフォームが悪いということだった。今日は終始フォームに気を付けて走ったらなるほど腿は疲れなかった。ちょっとした工夫で変わるもんだな。
ダラダラゆっくり走る時より、気合い入れて速く走る時の方が終わった後にあまり疲れていないこともわかった。これも大きな収穫。次の日のために体力を残したいならむしろ早く走るべきなんだな。

夜はこれまた恒例のクリスマスコラボディナー。とは言ってもワシが作ったのはきのことベーコン入りのペペロンチーノだけ。あとはどっさり姫が作ってくれた。
ペペロンチーノは最もシンプルなので最も難しい。今まで何度も作ったが納得がいくようにできたことはなかった。だが今日はまずまずいい感じにできてうれしかった。
最初にシャンパンのハーフを飲んで、その後にルイ・ジャドのブルゴーニュを飲んだ。これがうまいうまい。今年一番うまいワインだった。

すっかり酔っぱらって今年のクリスマスは終了。

「聖夜」

神の前 頭をたれる 人の群れ
是非に及ばず
 きよしこの夜

12月18日(日)晴れ
マラソンをするようになってもう何年も経過しているが、今日初めて転んだ。その時に実に33年ぶりに”受け身”をした。そのおかげで手のひらをわずかにすりむいただけで何も怪我しなかった。
中学の頃、柔道部にいて受け身をよくやらされたが、こんな形で役に立つとは思わなかった。
何かにつまずいて体勢が崩れた時に、「あ、もうこれは立直せない」と思ってすぐに右肩を入れて一回転しながら転んだ。わずか1秒ほどの間の出来事だった。見てた人は転び方が派手なので驚いたろう。
それにしてもずっと昔に身につけたものが、今になって咄嗟に出てきてちょっと感動した。

人生においては身体的以外のことでも打撃が繰り返し襲ってくるものだが、これらもそれなりの受け身を学んでおけば強く生きていけるのかもしれないなと、手のひらに絆創膏貼りながら考えた。

「受け身」

生き方の 受け身知るべき 時勢かな

12月7日(水)晴れ
昨日の朝、起きた時にふとんで寝たまま背伸びをした。その時に右の肩甲骨の下に激痛が走った。あ!やってしまった!と思った。ぎっくり腰みたいな状態が右の背中で起っていた。
まず起き上がるのがひと苦労。そしてそこからは何をするにも激痛。顔洗うのも、歩くのも、鞄を持つのも、車のドアを開けて乗り降りするのも、座るのも立つのも……。
行く先々でお客さんに奇妙な動きを笑われた。なんとか苦行の一日を終えて帰宅し、あとはひたすら安静。軽いストレッチをしたら少し回復した。

今朝は8割回復しててホッとした。おそらく原因は前夜の筋トレだろうと思う。メニューは、フロントレイズ、サイドレイズ、ダンベルアップライトローイング、アブローラー。これらのどれかが犯人だろう。しかしストレッチはしっかりやったし、トレーニングしている時には何も違和感は感じなかった。真相はわからぬまま。

「背筋」

背筋の 偉大さを知る 苦行の日

12月4日(日)晴れのち曇り
夜明けは部屋から真正面に日が昇り、朝霧にけむる琵琶湖を照らして見事な眺めだった。

朝食後、「文殊楼」に登り、そしてこの山の中心である根本中堂へ。現在、10年かけての大修復期間中で、一部工事している中での見学。外観の威容とは違って、中は思ったほど広くはなかった。参拝者は下でお勤めをする僧侶を見下ろす形になるユニークな造りだった。





最後は「大講堂」へ。ここには比叡山で修業した高僧の肖像画が並んでいた。親鸞、法然、道元、一遍…などなど。



その後、宿のバスで比叡山を下りた。バスを大津京駅で下りて、そこからJRで京都駅に戻った。そして買物と昼食を済ませ、バスで関西空港へ向かい、福岡に戻った。

「比叡山延暦寺」に来て思ったこと。「雷山千如寺」の和尚さん主催のツアーで高野山を訪れたが、その時には山の上なのに寺院だけでなく普通の街が広がっていることに驚いた。その記憶があったせいか、「比叡山延暦寺」は3つのエリアに分かれているとはいえ、一つのエリアは思ってた程広くはなかったので意外な感があった。宿も「延暦寺会館」しかなく、全体にこじんまりとした印象だった。
空海の高野山、最澄の比叡山。両方知ることができて満足の至り。いろんな歴史小説を読んだが、やはり現地に行くことに勝るものではない。

ということで「12か月全ての京都を楽しむシリーズ」の10回目を無事終了。

「琵琶湖」

いくたりの 僧が眺めし 琵琶湖かな

12月3日(土)晴れ
朝からホテルの朝食のビュッフェに驚いた。種類も多く、味も文句なし。少しずつたくさんの種類が食べられるように一つ一つを小さくしている配慮が嬉しい。こんなにサービスが良くて大丈夫なのかと心配になる。

ホテルをチェックアウトしてまず向かったのは、「渉成園」。東本願寺の別邸でここも庭が素晴らしかった。一部まだ紅葉が残っていた。



その後はJRで移動。いよいよ今回の主役である「比叡山延暦寺」に向かった。 比叡山坂本駅で降りて、まずは坂本の街をぶらぶら。お昼は「鶴喜そば」でざるそば。これがなかなかおいしかった。

そしてケーブルカーで比叡山へ。山上は寒いかと思いきや、天気が良かったのでそれほどでもなかった。 まずは今日の宿の「延暦寺会館」に荷物を置いて、それから西塔エリアへ。



比叡山は根本中堂や大講堂など、たくさんの建物があるが、大きく分けて東塔エリア、西塔エリア、横川エリアの3つに分かれる。メインは東塔エリアだが宿から近いので、今日は遠いところを先に行こうということにして西塔エリアへ。歩いてまわるにはなかなかの距離。アップダウンも激しく、いい運動になった。山王院、浄土院、にない堂(常行堂と法華堂)、釈迦堂、鐘楼とまわった。 東塔エリアに戻ってからは阿弥陀堂、法華総持院を見た。





今日の宿の「延暦寺会館」は観光ホテル的な構えなので全く期待はしてなかったが、部屋は広くてきれいで窓からは琵琶湖が見下ろせたし、大浴場も快適でここからも琵琶湖が見れたし、なかなか良かった。 食事は宿坊だけにやはり精進料理。だがこれが薄味でまた良かった。非常にヘルシーだった。



ということで2日目終了。

「浄土院」

静かなり 塵ひとつなき 浄土院

12月2日(金)晴れ
「12ヶ月全ての京都を楽しむシリーズ」も今回でついに10回目。12月の京都はこれまで手付かずの比叡山延暦寺を楽しむことにして、テーマは「叡山の冬」。

今回は空の便を選択。早朝のピーチで関空へ。そこからバスで京都に入った。トータルの時間は新幹線とそれほど変わらないがコスト的にだいぶ抑えられるので、このパターンはなかなかいいかもしれない。

1日目のホテルは京都駅八条口からすぐのサクラギャラリー。このホテルが非常に良かった。造りはマンションみたいでうまくコストを抑えている一方で、サービスは至れり尽くせり。レストランのクオリティも良く、宿泊客はかなり安く食事ができる。抑えるべきは抑え、使うべきには使う。見事な経営に感心した。



ちょうどお昼ぐらいにホテルに到着し、すぐに街に飛び出して「とり安」で親子丼を食べた。これまで毎回違うお店で親子丼を食べたが、今回はコスパでは一番かもしれない。

お腹ができた後は「無鄰菴」へ。かつて山県有朋の別荘だったところで、日本庭園が非常に素晴らしかった。明治の元勲の心を休めたであろう眺めにワシも癒された。 敷地内には土蔵を改造した洋館もあり、そこでは山県有朋、桂太郎、伊藤博文、小村寿太郎によって、日露戦争開戦を決める「無鄰菴会議」が行われたらしい。この場で国家の大事が決まったことを思えば感慨もひとしお。



次は「京都市立美術館」へ。開催中の伊藤若冲展を堪能した。日曜で終わりだったのでかなり混雑していた。 今まで伊藤若冲のイメージには江戸時代とは思えないエキゾチックなものがあったが、今回の展示ではシンプルな水墨画が多く、また違う魅力を発見できて有意義だった。

一度ホテルに戻って休憩してから、夕食のお店「KIZANO」へ。フレンチのお店だが非常にリーズナブルだった。店内の雰囲気同様、料理も家庭的な肩のこらないもので、ゆっくり楽しめた。

今回は夕食の後もまたお楽しみ。今の期間だけあちこちの観光スポットがライトアップしているのでそれを見に行った。ワシらが選んだのは「高台寺」。 このシリーズで1回目に来たので実に10年ぶり。前回は何を見ていたのかと思うほど広くて見応えがあった。 庭ではプロジェクションマッピングを楽しめた。こういうものがあるとは知らなかったので、幻想的な映像には余計に感動した。

ということで1日目終了。

「無鄰菴」

椅子四つ 国家の大事を 語るかな