黒門飴

江戸時代に幕府によって日本中に街道というものが整備されましたが、その中で福岡を東西に走っていたのが唐津街道です。現在の佐賀県唐津市から糸島市を経て福岡を横断し、古賀市、宗像市……と続いていました。唐津藩や福岡藩が参勤交代に利用した道でもあります。今でもその名残を感じることができる場所がいくつかありますが、唐人町商店街近辺がその一つです。アーケードがある通りはまさにかつては旅人が行き来した街道でした。そして未だに当時の雰囲気を残し、タイムスリップしたかのような錯覚を覚える古い店構えのお店がこの「黒門飴」の板谷商店です。「黒門飴」の古びた看板は実に味わいがあってしばらく眺めてしまいます。店頭では年配の方にとっては幼少時を想起させるような手作りの飴が売られています。創業は明治だそうです。大正時代からずっと同じ機械を使われているということで、昔ながらの味を確実に受け継いでいるのではないかと思います。水飴から手間暇かけて手作りされた飴の味というのは、工場から大量に出回る今時の飴とは一線を画しています。あの甘さと食感はまさに守るべき伝統です。出来得る限り先の時代まで伝えるべき貴重な逸品です。特に若い人たちには長い年月に渡って守られてきた福岡の伝統の味を楽しんで頂きたいです。そして時代を超えて何かを伝えることの素晴らしさを知って頂けたらと思います。
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(えしぇ蔵)
 
中央区荒戸3-10-1
092-741-8878

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