この日記は全てノンフィクションであり、登場する人物・団体名などは全て実在のものです。
5月
5月31日(月)晴れ

中国鍼灸院」さんで今日頂いた漢詩二つ。

「洞山」

呉炳宇

古傳誓矢穿山過、(古より伝わる誓いの矢は山を穿ちて過ぎ、)
今見洞山在芦屋。(今洞山は芦屋に在るを見る。)
千年歳月逐波逝、(千年の歳月は波を逐いて逝き、)
鬼斧神工奇景出。(鬼斧神工は奇景を出づ。)

(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)

誓いばこめた矢が山に穴ば開けたていう古か伝説があるげな
今それが仙洞いうて芦屋にあるげな
千年もかけて波はずーっとぶつかっていってくさ
鬼の斧や神様の技が作ったごとある珍しい景色ば作るとたい



「笑容」

呉炳宇

雨中新竹吐嫩緑、(雨中に新竹は嫩き緑を吐き、)
庭内青梅呑日紅。(庭内に青梅は日を呑んで紅なり。)
不覚東瀛又入夏、(東瀛又夏に入るを覚えず、)
仕我両忘常楽容。(仕我ともに忘れれば常に楽容なり。)

(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)

雨ん中で新しい竹は若い緑ば吐いて
庭ん中で青梅は日光ば呑んで紅になるばい
いつんまにかまた日本は夏に入ってしまうばい
仕事も我が都合もどっちも忘れたらいつも笑顔でおれるとたい。


いつもながら深いねぇ。それにしても芦屋にあるこの洞山って見てみたいな。

「千年の波」
 
誓いの矢 島を穿つと 伝え聞く
我が意通せる 千年の波
 

5月30日(日)晴れ
(三島由紀夫風)

 安寧と静寂の拠り所である心地よき我が家も、五月の晴れた日曜日には怠惰の気を漲らせた座敷牢に感じられたので、私は妻を誘い人生の行き着く涯、終の棲家の候補地でもあるうきはへと出かけることにした。
 それならばと妻は普段から贔屓にしている「正島工房」に寄るために電話で確認をしていたが、連絡がとれなかったようだった。
 「正島工房さん、お休みみたいよ。つまんないわ」
 私は出かける時には常に携行するPENTAXを準備しながら「それは残念だね」と答えた。
 「あなたと出かけるといつもお店が臨時で休みになるわ。不思議ね」
 「それも僕の責任かい」
 「だっていつもそうよ」
 彼女にとっては固くて開かない瓶の蓋から天候の急変まで私の責任だった。
 昨日洗車してモスグリーンの輝きを取り戻した車で古賀インターから高速に入りうきはへと向った。鳥栖インターから大分方面へと曲がると広大なパノラマが開ける。空の青さは夏のそれほど濃くはなく、下へいくほど徐々に白を含みながら最後はうきはと久留米の背に立てまわされた六曲一双の屏風のごとき耳納連山の稜線に吸い込まれて終わっていた。わずかな雲はパノラマの端に履き寄せられ、些か強さの増した日差しがふんだんに地に降り注ぐのを阻んではいなかった。あちこちで乾いた麦の穂がまだ冷たさを残す風に物憂げに揺れていた。
 杷木インターで高速を下りると、吉井から合所ダムの方角へ山道を登り、覆いかぶさるような様々な濃淡の緑の中をしばらく走った。かなり山奥へと入り込んだところで目的の店「ムスビ」を見つけ、そこで心身ともに癒される昼餉の時を過した。
 その後、更に山奥へと進み、スペイン風のハムやソーセージで福岡に名を馳せた「イビサ」で買物をし、吉井の街並みへと戻った。



 次に私はケーキ屋「ル・シュクル」に車を止めた。ここで新商品のケーキの撮影と味見をし、コーヒーを飲んでしばし憩いの時を持った。新商品のいちごをふんだんに使ったケーキはスポンジとクリームといちごの淡い色の競演が美しく、感嘆のため息を薄く彩色して重ねたような趣きがあった。
 妻はショーウィンドーを眺めながらふと小首をかしげた。
 「ね、なめらかプリンとミルクプリンはどう違うの?」
 もとより私にわかるはずはないので諧謔をもって回答するにしくはないと
 「そりゃあなめらかプリンはなめらかで、ミルクプリンはミルクが多いのさ」
 と答えると、彼女は「ふふふ、そうね」と端からあてにしてはいないという表情で唇の端に笑みを浮かべた。
 「ル・シュクル」を出て「耳納の里」で買物をした後、高速で帰路についた。妻は疲れたのか後部座席で横になっていた。あたかも一人旅のような私の思考は今日の日記の文末に記す一句をひねり出すために、一人薄青い五月の空の光の中へ創造の翼を広げて羽ばたいていった。
 
「うきは」
 
緑ます うきはの山の 力かな
 
5月28日(金)曇り
それにしても今日はビックリしたなぁ。なにげにリカちゃん走らせてて、ふと温度計を見るとHで振り切ってるし!慌ててコンビニの駐車場に止めた。「太田自動車鈑金」さんに電話して指示を仰いだ。とりあえずは近くのスタンドでラジエーターを見てもらったが、水はちゃんと入ってる。どうも大ごとの予感。温度を上げないようにだましながら走ってトヨタカローラへ。どうもウォーターポンプが怪しいとのこと。修理見積を貰ってその金額にビックリ。なんとしてでも太田さんに頼まなければ!
やっぱりなぁ。217,000kmも走ってりゃどこか壊れるわなぁ。そろそろお別れなのかなぁ。走りは極めて快調なんだがなぁ。
 
「赤兎馬」
 
6速の 赤兎馬もはや 我が相棒
 
5月27日(木)曇り
なんで今になって寒い?どーゆーこと?姫はヒーターをつけている。季節めちゃくちゃや。
 
家がすぐ売れると思ったからそれまでは本を買わずに姫の海外文学の蔵書を読むことにしていたが、家が売れないからとうとうそれも全部読んでしまった。しょうがないから虎の子の「豊穣の海」を読むことにする。これは人生で最後に読む本と決めていたが、もう読んでしまおう。他に読むものないし。死に際まで待てんし。これが終わるまでに家売れんかいな。まぁ無理だな。
それにしてもここ数ヶ月でたっぷり海外文学に親しむことができた。トルストイ、ドストエフスキー、ヘミングウェイ、モーム、オーウェル、ブロンテ、モンゴメリ、バーネット、シェイクスピア、スタインベック、シュート、ホイットマン、モラヴィア・・・世の中広いな。いろんな名作があるもんだ。

アルファホーム」さんの熱帯魚が死んでしまったそうな。もう熱帯魚は飼わないそうで大きな水槽を引き取ってくれる人を捜しているらしい。
( 欲しい人はこちらまで )



「寒い」
 
寒いかも 寝る前悩む ここ数日
 
5月25日(火)曇り
ナフコに行くとワクワクする。いろんな便利なものがあって、それを使って何かを修理したり作ったりというのが楽しい。今日は固いネジでもまわせるドライバーを買った。実際に固くてどうしようもなかったネジに試してみたらまわった!そこで一人で感動・・・。そんなささやかなナフコライフ。

住まいのイシダ」さんで女官のF井さんにキャリーの写真を増やすように頼まれたので久しぶりに数枚追加した。



キャリー写真館

でぶネコのくせにえらく人気がある。みんなが「かわいい」というのでちょっと調子に乗ってるかもしれない。それにしてもちょっと痩せんとマズイよな。

「きゃりの海」
 
食べて寝て ただそれだけで 人気者
 
5月23日(日)雨
今日の晩飯はワシが作った。といってもペペロンチーノと簡単マッシュドポテトだけ。今日のペペロンチーノは今までで一番うまくアルデンテになった。だが普通の赤唐辛子がなくて黄色いのを使ったもんだから辛い!辛い!姫曰く、黄の時は赤の半分でいいらしい。そして必ず種をとること。幸い種はとっておいたので食べられないほどの辛さではなく、うま辛状態になった。ペペロンチーノに関してはだいぶ自信がついてきた。パスタの基本だからな。これが上手に作れなくては話にならない。あと3回くらい作れば確立されるかな。

「唐辛子」
 
唐辛子 黄はこれ赤に まさりけり
 
5月22日(土)雨
星香園」さんの話では今年のお茶は畑によって明暗が分かれたそうな。霜にやられたところは悲惨なことになっているらしい。静岡あたりが特にひどいらしい。自然を相手にする仕事は気を緩めることもできないわけで、その苦労はワシらの想像の及ぶところではないだろう。幸い「星香園」さんではいいお茶を入手できたらしい。今日味見したがさすがにうまい。やっぱり星野のお茶は最高だ。
 
久留米の「尾道屋」さんに行ったのでその足で「久留米市民オーケストラ」の定期演奏会を聞きに行った。初めてチャイコフスキーのバイオリン協奏曲を生で聴いて感動した。戸田弥生さんのバイオリンには本当にしびれた。30分の曲だがあっという間に終わった感じがした。ドボルザークも素晴らしかった。
それにしても今回も盛況だった。満員御礼どころか定員オーバーでワシは一番後ろで立ち見だった。はるか遠方のステージで「古雅書店」の古賀さんが一生懸命演奏されているのが見えた。バイオリンが弾けてオーケストラに参加できるなんてすごいな話だ。オーケストラだと弾きながら音楽の中に浸れる感じがするのだろうか?羨ましい限りだ。

「弦の調べ」
 
なめらかな 弦の調べに 聞きほれて
立ち見の疲れも 忘れゆくかな
 
5月21日(金)晴れ

韓国の哨戒艇の沈没はやはり北朝鮮の魚雷攻撃なのだろうか?どうもそれで確定されそうな気配だな。事態が一挙に緊迫してきたな。戦争が始まる前の嫌な空気が感じられる。どこかトンキン湾事件を思い出させるものがある。あの時は北ベトナムの哨戒艇がアメリカの駆逐艦に対し魚雷攻撃をしてそこからベトナム戦争が始まったわけだが、同じような展開にならなければいいが。

「生きている間に見たいもの」の一つが「朝鮮半島の統一」だが、これはまた少し遠のいたかもしれない。同じ民族なのに仲良くできないというのは悲しい話だ。
ちなみに他の「生きている間に見たいもの」は、「パレスチナ問題の解決」、「宇宙人の存在確認」、「量子コンピューターの実用化」、「タイヤのない自動車の普及」、「タイムトラベルの実験」、「日本のサッカーワールドカップ優勝」、「F1初の日本人チャンピオン誕生」、「日韓海底トンネル開通」、「ガンやエイズの撲滅」などなど。どれか一つでも見れるといいのだが・・・。

「黄泉の親」
 
南北で 共に生きれぬ 子らを見て
涙乾かぬ 黄泉の親かな
 
蔵 

5月19日(水)雨
毎日どうしてこんなに眠たいのだろうか?脳の働きが衰え始めているのではないだろうか?客先をまわる時にちょっと時間が早かったりすると車を止めて本を読むが、ものの2分くらいでもう夢を見ている。は!っと起きると10分ほど寝てたりする。不思議なことに寝すぎて遅刻するということはない。いつもちょうどいいタイミングで目が覚める。
あぁもし活字を読んでも眠くならないならもっとたくさん本が読めるのに!ベッドに入っても2分くらいで寝てしまう。2時間くらい続けて読める身体になりたい・・・。
日本の名作、世界の名作、まだまだ読んでないのが山ほどある。仮にあと40年生きるとしても全部読むのは間に合わない。読みたくないもの読んでる暇はないな。優先順位をつけて読まないと。
姫の蔵書の海外文学もかなり読んだ。そろそろ日本人に戻ろうかとも思うが、ブロッホ、ジャン・ジュネ、ダンテ、フォークナー、バージニア・ウルフあたりにも惹かれる。文学はたまらんなぁ。やめれんなぁ。

「田」
 
稲と水 田の面(も)は若く うすみどり
 
5月17日(月)晴れ
昨日のショックをひきずったまま「中国鍼灸院」さんで鍼治療。呉先生は、「具体的なアドバイスは参考にするヨ。抽象的な批評は無視していいヨ」と励ましてくれた。いつもながら簡潔で適確なアドバイス。なるほどそれでいいんだな。

先生は蘭と雛草の鉢を治療する部屋に吊って飾っている。それがなんとも愛らしい姿で心和ますものがあった。先生はそれをテーマに詩を作られていた。

「蘭草」 

呉炳宇

吊蘭雛草懸空美、(吊蘭、雛草、空に懸けて美しく、)
土少葉茂姿万千。(土少なくして葉茂り姿万千なり。)
雖無嬌花贈権貴、(権貴に贈る嬌花無きと雖も、)
確有清廉留人間。(確かに人間に清廉留むあり。)

(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)

吊蘭とか雛草ば空にかけとったらきれいかばい
土は少のうしてん葉は茂っていろんな姿になるばい
えらか人たちに贈るすごか花はなかばってん
ちゃーんときれいな心は持っとるばい


いつもすごいが今日のはまた先生の傑作のような気がする。

「雛草」
 
たおやかな 雛草我に微笑まん
前に進めと ささやくごとく
 
5月16日(日)晴れ
ノーテンキも甚だしいワシなので普段へこむということはほとんどない。前回いつへこんだか覚えていないくらいだ。そんなワシが今日は本当にへこんだ。歩くのも膝が笑ってふらふらするほどへこんだ。
午後から同人誌「午前」の会に参加した。いつものようにお互いの作品の批評をしあったが、今回はワシの作品「美佐代」も俎板にのった。結果は散々だった。全員からダメだしの集中砲火を受けた。言葉こそはオブラートに包んでいたが、集約すれば”話にならない”というのが全体の一致した感想だった。
これにはさすがにへこんだ。今までで一番まともに書けたかなと思っていたものがこの評価だったので浮上する手がかりもないという状態。自慢の子どもがよその大人たちに寄ってたかって「お宅のお子さんは話にならない!」と言われたみたいに、心の奥深くまで悲しみが突き通ってくる感じがした。会の途中で帰りたくなったほどいたたまれない思いだった。しおしおと帰宅して机に座っても何もしたくない。全く気力というものがどこかに行ってしまった。
もともと苦手なことをやって酷評されるのはせいぜい擦り傷の程度で、へこんでもすぐに忘れることもできようが、信じてひたすら歩いてきた道において否定されるのは心臓をえぐられるような思いだ。
今回ばかりはノーテンキのワシも立ち直るのにちょっと時間がかかりそうだ・・・。

「潮時」
 
潮時か 才なきものの 悪あがき
 
5月14日(金)晴れ
明日、あさっての二日間、「東部ハウジング」さんが我が家のオープンハウスをされる。今回はどうかいな?たくさんの来場者がありますように・・・。

今週に入ってからあちこちの田んぼに水が入ってるのを見かける。田植えの時期だ。今年は天候不順で野菜の出来が悪いらしい。「星香園」さんの新茶はどうだったろうか?ちょっと心配だ。
気象に関しては温暖化の問題など憂慮すべきことがあるわけだが、それもこれももし人間が地上に生息していなければ起きなかったことだろうと思う。多少のずれはあってもおそらくほぼ順調に四季を繰り返し、動物も植物も自然の摂理に従って繁栄あるいは衰退していることだろう。全ては自然に。それを人間だけが頑張って狂わせていくんだろうな。温暖化も人間が招いたこと。人間が憂慮する対象は、概ね自ら招いたことだ。そうなると逆もまた真で、自分が変われば多くのことが改善できるわけだ。無理をせず自分を徐々に改善する。要するにそういうことだな。何を変えるにしてもまずは自分からだ。
 
「初夏」
 
初夏の風 田に水いれる 農夫かな
 
5月12日(水)晴れ


いつものごとくあっちこっち飛び回り、6時半ぐらいに帰宅。それから少しデスクワークした後に駅前の「クルクリ」へ。「ギャルソン」のワカガシーラ坂本さんとヒラハータあかりさんと待ち合わせて飲みに行った。つきあいの長いワカガシーラとノリのいいヒラハータさんだから大いに盛り上がって、半月分くらいまとめて笑ったかな。いやぁほんとに楽しかった。相変わらず「クルクリ」の料理もうまいし。閉店まで居座ってしまった。



「チジミ」
 
ひと口で 会話を止める チジミかな
 
5月11日(火)曇り


http://www.youtube.com/watch?v=uW3nPqPPBDw&a=MWbLH07FPPs&playnext_from=ML

「Heartbreaker」 Grand Funk Railroad

Once I had a little girl, sometimes I think about her,
But, you know she's not really there.
When memories do call, I just, I just can't live without her
But tryin' all the time is so hard to bear.

Heartbreaker, can't take her,
Heartbreaker, bringing me down.
Heartbreaker, can't take her,
Heartbreaker, bringing me down.

I don't cry no more, I live while I'm flying,
But I'll think back, and you can hear me say:

Heartbreaker, can't take her,
Heartbreaker, bringing me down.
Heartbreaker, can't take her,
Heartbreaker, bringing me down.


(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)

「冷たいおなご」

昔好きな子がおってくさ、時々考えるっちゃんね
ばってん、あいつはもうおらんとよ
思い出した時にはくさ、あいつがおらんと生きていけんくなるよ
ばってん、いつも一生懸命我慢しとると

冷たいおなご つきおうてくれんばい
冷たいおなご たいがい落ち込むけん
冷たいおなご つきおうてくれんばい
冷たいおなご たいがい落ち込むけん

もう泣かんばい 浮かれとう時はよかばってん
また考えてしまうっちゃん ちょっと聞いちゃらんね

冷たいおなご つきおうてくれんばい
冷たいおなご たいがい落ち込むけん
冷たいおなご つきおうてくれんばい
冷たいおなご たいがい落ち込むけん


「傷心」
 
傷心の 歌は演歌か ブルースか
 
5月10日(月)雨



午前中は毎年恒例の「雷山千如寺」さんの「御経会」の取材に行った。今年は新兵器「PENTAX K7」を携えて出陣。毎年撮影する同じ行事も一眼レフデジカメで撮るとまた違ったものになる。
それにしても雨の月曜日なのに参拝者の多いこと!信仰心っていうのは素晴らしいものだ。もっとも和尚さんの人徳も大いに影響しているとは思うが。



和尚さんが古い記録を調べたところでは、この行事はなんと元寇の頃から雷山で続けられているそうな。800年近く続けられているなんて、日本人の信仰心もなかなかすごいものがある。文明が発達するとそれに反比例して人は宗教から離れていく。要するに自分だけで生きていけるという驕慢を文明と一緒に育てていくんだな。人間はそう強い生き物ではない。宗教から離れると個々人の良心の棲家は徐々に荒れていく。何をもってそこを埋めるかだ。人間に宗教は必要だと思う。

「信じるもの」

800年 人は集いて 手をあわす
信じるものを 持てる幸せ 
 

5月9日(日)晴れ
夕方、近所を走ってちょいと汗を流そうと思ってトレーニング用のスパッツに着替えてみるとどうもしっくりこない。ありゃりゃ、太ったかな?ちょっときついなと思ったがスパッツはもともとぴっちりなのであまり気にしなかった。だがいざ出かけようとして家の鍵をポケットに入れようとしてもポケットが見当たらない。あ、後前に履いたかなと思ったが紐が前にあるから間違えてはいない。なぜに・・・?そこでワシは、「あ!またやられた!」と思った。姫がワシの引き出しに自分のスパッツを入れたのだ!引き出しを確かめてみるとワシのスパッツも入ってた。姫は横でケタケタケタケタ笑ってる。まったくもう。今までもワシの引き出しに踝にも届かない靴下やへそも隠れないTシャツを入れられたことがあるが、どーにかならんもんかな。
 
一方で昨日は姉からメールが来て萌ちゃんの活躍ぶりを報告してきた。今度は弁当とお茶だけ持ってかばんを持たずに学校に行ったらしい。はぁもうどいつもこいつも・・・。

「妻」
 
我が妻の 才に舌巻くことあれば
アホに飽きれる ことまた減らず
 
5月7日(金)晴れ
1936年、昭和11年の5月7日、今から74年前の今日の帝国議会の衆議院において斉藤隆夫は軍部とそれに佞る議員一同に対し、命がけで批判する名演説「粛軍演説」を行った。軍が政治をリードする危険性について、実に1時間25分に渡って持論を展開し、その捨て身の姿勢と強烈な軍部批判はその終了後に敵味方問わず”満場嵐の如き拍手”を受け、新聞によって知った全国民を感動させ、「議会未曽有の歴史的大演説」と言われた。
タブーにふれた彼は後に衆議院議員を除名されてしまうが、後にまた再当選して返り咲く。この不屈の闘志!彼はこんな言葉を残している。

吾が言は即ち是れ万人の声
褒貶毀誉は世評に委す
請う百年青史の上を看る事を
正邪曲直自ずから分明

まったく男だねぇ。とてつもなく男だねぇ。かつてはこれほどまでに政治を命がけの仕事として認識していた政治家がいたのだ。私利私欲、責任回避、あげ足取りに奔走するのではなく、日本のために国民のために命をかけることを厭わない男が実際に存在したのだ。今の日本のどこを探せばそんな政治家がいるだろうか?浜口雄幸、尾崎行雄、中野正剛、広田弘毅・・・かつて多くの政治家が国のために命をかけた。未来のために身を挺した。そんな意気込みを持った政治家はもう出ないのだろうか?

「私は死すとも、この演説は永くわが国の憲政史上に残ると思えば、私は実に政治家としての一大責任を果したる心地がした」

日本の全政治家、かくあるべし。
 
「無私」
 
国おもひ 至るは無私の 境地なり
今ぞ聞きたし 先人の声
 
5月5日(水)晴れ
最終日はのんびり。午前中だけ掃除に専念したけど午後は本当にゆっくりした。ひたすら読書。明日からの活力の充填は完璧。
いやぁそれにしてもいい連休だった。山歩きはやっぱりいいもんだ。何回登ってもあの頂上に着いた時の達成感はたまらない。だいぶ足腰にも自信がついてきたので、片道2時間以内の山では今ひとつ物足りなくなってきた。でも考えてみれば片道2時間というと福岡のほとんどの山に登れてしまうのではないだろうか?そうなるとやはり九重連山をはじめ、県外の山をターゲットにしないといけなくなる。あぁ九重が呼んでるなぁ。これからミヤマキリシマの季節がやってくる。
 
「山の声」
 
山の声 常よりとどく 初夏の候
 
5月4日(火)晴れ


はい三日目。またしても山へ。今日は近場で太宰府の大宰府政庁跡より岩屋山〜大原山を目指す。天気は今日も最高。かなり汗をかくことが予想できたので水はたっぷり持参。
政庁跡の駐車場に止めて出発。それにしても福岡に住んで17年、政庁跡は素通りするだけだったが馬鹿なことをしたもんだ。こんなにいい公園だったとは。かなり広いので登山口まで結構歩いた。
登山道は岩屋城跡を経由するコースをとった。多少の登りはあるが、整備されていて登りやすかった。家族連れの登山客をあちこちで見た。登りやすいからか人気の山らしい。登山口から途中何箇所も旧跡などのスポットが散在するので登っていて飽きない。特に歴史好きのワシには。高橋紹運の墓があることは知っていたが今回初めて見れて感動した。ここで島津の大軍を一手に引き受けたのかと。この山は戦国時代の岩屋城と、飛鳥時代の大野城を同時にたどることができるのでなお面白い。一方は島津に備え、一方は新羅・唐の連合軍に備えた山城。あちこちに要害を偲ばせるものがあって十分に楽しめた。
登山としては今ひとつ物足りないので硬派な登山マニアには鼻で笑われるかもしれない。道路も整備されているので車で来れるスポットが多いし。ただ家族連れでドライブに来て、見晴らしのいい場所で弁当広げ、腹ごなしに旧跡を散策するなんていうのには最高の場所だ。次回はドライブで来るのもいいかな。

四王寺の33ヶ所巡りの札所があちこちにあって、それを辿っている若い兄ちゃんがいた。

ワシ:「札所があちこちにあるね」
姫:「うん」
ワシ:「今までいろんな山に登ったけどさ、山ん中で修験者とか見たことないよね?今もおるとかいな?」
姫:「なに?」
ワシ:「修験者」
姫:「シュゲンジャ?なにそれ?」
ワシ:「修験者って・・・・・・こんなして歩いて修行する人たい」
姫:「おるやん。篠栗に。いっぱい」
ワシ:「あれはお遍路さんやんか!(笑)」
姫:「違うと?おへんろさんは修行しよらんと?」
ワシ:「ん・・・まぁあの人たちも一種の修行やろうけど、修験者って山ん中に何日もこもって修行するとよ」
姫:「ふーん」

山登りになぜなぜぼうやを連れて行くと疲労度は通常の1.5倍になる。

気温も高く、かなりの距離を歩いたので姫は終盤ふらふらになっていた。元気な時はなぜなぜぼうやで、疲れている時は無言だから疲労の度合いがわかりやすい。しかしまぁおもろいやつだ。
 
「岩屋城」
 
大軍に 屈せぬ男の 生き様を
今に残すや 岩屋の砦
 
5月3日(月)晴れ
連休二日目。今日はまず「中国鍼灸院」さんで鍼治療。ここ数日痛んでしょうがない肩と背中を治療してもらった。
呉先生にまた漢詩を頂いたが、今回はなんと同じテーマで俳句まで作られていた。
 
「Radio」

呉炳宇

夜深軽音楽、良宵話語親。(夜深く軽音楽、良宵話語るに親しむ。)
不覚入夢境、桃源慰吾心。(覚えず入る夢の境、桃源吾心を慰む。)

(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)

深夜に音楽ば聞いて、よか夜に話ば聞きよったらくさ
知らんまに夢ん中に入っとってから 桃源郷におるごとあったばい

(先生の俳句)

深夜便 ただ聞きながら 夢近く

呉炳宇


そういえば学生の頃、クロスオーバーイレブン聞きながらうとうとしたっけなぁ・・・。

お昼前から糸島方面へ出発。今日はランチ&ドライブのゆるい休日。イタリアンでランチを食べえの、「糸島手造りハム」でハムを買いいの、酒屋でワインを買いいの、とぶらぶら。天気は最高によくてドライブ日和だった。
姫は空耳がひどいが、一方でかつ舌も悪く時々何を話しているのかさっぱりわからない時がある。糸島のとあるベーグル屋を訪ねて行こうという話をした時の会話。

ワシ:「どこにあると?そのベーグル屋は。住所調べてきた?」
姫:「うん。これ」
 メモ紙をちぎったような端切れに手書きで住所と電話番号だけ書いてあった。
ワシ:「桜井にあると?」
姫:「うん。なんかね、じいちゃんの近くて」
ワシ:「え?」
姫:「じいちゃん」
ワシ:「・・・・・・ぷぷ」(←笑いが出始めている)
姫:「ぷぷ・・・・・・(←笑いそうなワシを見て自分も笑いたくなってる)あのね、近くにおっきなじいちゃんがあるけ、それを探せばいいって」
ワシ:「おっきなじいちゃん?」
姫:「おっきな神社!(笑)」
ワシ:「あぁ神社ね。おっきなじいちゃん探してどうするんやろう思うたよ」
姫:「ぷぷ・・・・・・じーんーじゃ!」
ワシ:「じいちゃんいうたら糸島にはいっぱいおるけ・・・ぷぷ・・・どのじいちゃんか・・・ぷぷ・・・わからんめーもん・・・動きよるし・・・ぷぷ」
姫:「もしほんとにじいちゃんが目印にずーっと立っとったらどうする?」

行ってみたらベーグル売り切れてるし。

夜は「糸島手造りハム」をピノグリージョをあわせてみた。あたたかな五月の宵には最高やな。
 
「今日の思い出」
 
ピノグリと ハムと大きな じいちゃんと
 

5月2日(日)晴れ


連休初日。まずは湯布院方面に山登りに行こうということでおにぎり持って出発!古賀インターから高速に乗ろうとすると・・・電光掲示板に福岡〜筑紫野間渋滞10kmの表示。これはいかん。慌てて方向転換し、八木山バイパス経由で飯塚に抜けて、冷水トンネルを通って筑前町に出ることにした。冷水の料金所を出ると・・・渋滞!裏道を通って甘木に出て、甘木インターから高速に乗ろうとすると・・・杷木〜日田間事故渋滞5kmの表示。杷木まで行く間に少しは解消されるだろうととりあえず高速に入ったが、朝倉インターを通過する時に、杷木〜日田間事故渋滞10kmの表示。増えてるし。しょうがないので杷木で下りて下道で日田まで行こうとしたが、下道も既に渋滞。あゝ、湯布院は遠かった・・・これじゃいつ到着するかわからんので、姫の「山かえれば?」の一言で急遽予定変更。久留米の発心山に目標を設定して、うきは経由でひた走った。
11時には登山口到着。たまたま昨日、この山も調査しておいたのでよかった。距離的に大したことない山だからとタカをくくっていたが、勾配が急でかなり体力を奪われた。1時間半ほどで頂上に着いた時は結構へとへとだった。
久留米からうきは方面を一望に見渡すパノラマはまさに絶景。湯布院には行けなかったが、思いがけずいい登山になってよかった。帰りは新緑や漱石の句碑などを楽しみながらゆっくり下りた。
登山の後のお約束は温泉。道の駅で買物した後、「湯の坂 久留米温泉」で天然自噴温泉に浸かり、疲れを癒した。ここのお湯はなかなかよかった。
帰りは高速であっという間に帰宅。まずまずいい感じの連休一日目。
 
「新緑」
 
新緑を 風に揺らせし 木々にとふ
漱石もまた ここを過ぎしか
 
5月1日(土)晴れ
ゴールデンウィーク突入か。それにしては道はいつものように混んでたがみんな遊びに行くのは明日からか?さすがに太宰府インターは朝から渋滞のようだったが。

そういえば昨日はえしぇ蔵クッキングで「スパゲティ・サルサ・マリナーラ」というやつにチャレンジした。なかなかうまくできた。意外と簡単だったのでまたいつかやってみようと思う。
それにしてもパスタ作るたびに思うんだが、おいしいパスタのお店の料理人ってどうしてあんなに絶妙の加減で茹でれるのだろうか?例えばパスタの袋に9分とか書いてあってもそれは9分であげてすぐ食べるということを仮定しているわけだから、ペペロンチーノのようにその後フライパンで軽く火を通したりすればその時点でもパスタは変化するので9分であげると手遅れになる。今日のパスタもトマトベースのソースの中で少し茹でなければならないので早めにあげないといけない。そのへんの加減が難しい。つくづく料理は化学だなぁと思う。パスタの会社もオリーブオイル系なら何分、トマトソース系なら何分、スープスパゲティなら、カルボナーラなら、ナポリタンなら・・・とかもう少し具体的に書いてくれたらいいのに、とか思うがそれじゃきりがないか。
 
「アルデンテ」
 
アルデンテ 式では書けぬ 化学かな