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福岡ESEグルメ 今週の新規紹介「すし処 あり吉」

お店の人と客の関係というのはいわば恋人同士で、客がお店にいる間はデートしている状態と言えるのではないかと勝手に思っています。例えば客という名の彼女がお店に2時間ほどいる間に、彼氏であるお店の人は彼女に楽しい時間を提供しようと一所懸命になるわけです。おいしいものを作るのはもちろんのこと、お店の雰囲気作りや行き届いた接客などで彼女の満足感を満たそうとします。その誠意が通じればめでたく両想いになり、頻繁に来店するようになる。う~ん、まさにデートじゃないですか。そういう客に対する必死の誠意を感じるお店の一つの例としてこのあり吉が挙げられると思います。鍛え上げられた技を実感する寿司のうまさに始まり、清潔で快適な店内、心地よい接客、細かい気配り・・・そこにいる時間をたっぷりと楽しませてくれます。これが彼氏なら全く文句のつけようのない彼氏であって、どんな女性もなびくことでしょう。人も店もやはり誠意があってこそモテるのではないでしょうか。

(えしぇ蔵)

福岡市東区香椎1-22-7
092-671-1834

蔵書 今週の作品井上靖 「氷壁」

1955年に前穂高岳東壁において登山者のナイロンザイルが切れて1名が墜死するという事件がありました。世に言う「ナイロンザイル事件」です。当時、社会的に大きな波紋を呼んだこの事件に井上靖は注目し、小説の題材として取組みました。実際の事件のほうでは後にナイロンザイルのメーカーの責任を明らかにすることに成功し、それ以後のザイルの切断による墜死をなくすきっかけとなりましたが、この作品の中ではザイルがなぜ切れたか?という点に焦点が置かれ、ドラマが展開していきます。題材こそ取り入れていますが、実際の事件とは内容は違いますのでご注意下さい。
この作品は掛け値なしにストーリーが面白くて一気に読んでしまうことができます。展開がドラマティックで読む側をぐっと引き込むこと、文章が詩情豊なことは井上靖の本領発揮というところでしょうか。”完璧に仕上がっている”という印象を受けます。主人公はある悩みを抱えた友人と奥穂高に登ることになりますが、もうちょっとで頂上というところでなぜかザイルが切れてしまい、友人は滑落死してしまいます。切れないはずのザイルがなぜ切れたのか?友人は自殺したのではないのか?主人公はいろんな憶測に悩みつつ、自分への嫌疑もあったので真相解明のために奔走しますが、答えを得ることはできませんでした。そしてついに最後の手段として一人で登ることを決意します。果たして主人公は真相解明に成功するのでしょうか?こうやって少し筋書きを紹介しただけでも読んでみたくなりませんでしたか?小説の面白さを追求するなら一押しの作品です。

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