次回更新は12月8日です。
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今週の新規紹介 「クボカリー」
いつのまにか、そしてどういうわけか、福岡においしいカレーのお店がどんどん増えてきました。欧風、インド風、東南アジア風、いずれも絶品のカレーを出す名店があちこちに誕生して、カレーを福岡の名物的存在にしてもいいのでは?と個人的に思ったりもします。ただしどのお店も極めて小規模で頑張っているので、通りに面してわかりやすい場所にあるお店は少ないのが現状です。ですのでどなたか福岡のカレーの名店マップでも作ってもらえると、きっと重宝するのではないかなと思います。西鉄の高宮駅から歩いて行ける場所にあるこの「クボカリー」もそれらの名店の中に絶対に入れるべき存在です。家庭でも頻繁に登場するカレーなので、えしぇ蔵は家で作れそうなカレーを外で食べることはしない主義です。その点、こちらのカレーのスパイスの使い方なんて、どれだけ研究したのだろうかと感服せざるを得ない奥の深い味を出しており、とても再現なんて言葉は出て来ません。これぞプロの仕事だなと思います。これでこそお金を払う価値があるというものです。3種類のカレーを味わうことができるクボカリープレートは絶品でかつお得です(組み合わせるカレーの種類は日によって替ります)。昭和の日本を思い起させるノスタルジックな店内の雰囲気もまたいい感じです。是非、こあがりのちゃぶ台で家庭で再現不可能なカレーを味わってみて下さい。

福岡市南区大楠3-17-10
090-3416-4139

今週の作品 吉村昭 「ポーツマスの旗」
日露戦争が終わった後、ロシアとの間でポーツマス条約が結ばれたことを学校で習いましたよね?あの時の全権大使は日本が小村寿太郎でロシアがセルゲイ・ウィッテでした。この物語では小村寿太郎がポーツマス条約を締結し日露戦争の終結に成功するまでの苦難の道のりとその後の国内外の様子を描いています。日露戦争というのは日本が勝ったということにはなっていますが、実際は軍事費にしろ兵力にしろギリギリの状態で、もしポーツマス条約が結ばれなかった場合は、海軍は日本海海戦で壊滅したとはいえ陸軍にはまだまだ膨大な兵力を残していたロシア側の猛反撃で日本は大変な状況になっていたはずです。ところがその現実を知っていたのは軍や政府の首脳陣だけで、一般の日本国民は戦勝に次ぐ戦勝にうかれて、講和不成立なら戦争続行という意見が大勢を占めていました。小村寿太郎は上からは戦争を何としても終わらせるようにと言われ、下からは賠償金も含めて日本に有利な形で条約締結することを期待されます。ロシア側のウィッテも皇帝からの指示で強硬な姿勢を崩さないので話合いはなかなか進みません。お互いギリギリの譲歩を続けてようやく条約締結にこぎつけますが、日本は樺太の半分を得たのが限界で賠償金は得られませんでした。戦争は終わりましたが日本国内では現実を知らない国民による暴動が起きます。名誉どころか自分や家族の命まで危険にさらしても日本に平和をもたらそうと奮戦する小村寿太郎の姿には深い尊敬を覚えて頭の下がる思いです。こういう鉄の意志の人がもし今の日本にいたらと思わずにはいられません。吉村昭は小村寿太郎の業績だけではなく、私生活における顔も徹底的に調べ上げて書いていますので、その人間像が非常に細かく把握でき、感情移入してしまいます。調べる力というものを強く感じました。こんなすごい人の命がけの努力があったから今の日本があるということを皆さんにも是非知って欲しいです。
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