次回更新は10月5日の予定です。
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今週の新規紹介 「桂林米粉 山水家」
中国の桂林といえば誰しも深山幽谷の山水画を連想するのではないでしょうか?非常に景色の美しいところで有名です。その桂林を代表する食べ物が桂林米粉です。米の粉で作った麺(ビーフン)は、なんと秦の始皇帝の時代にここで誕生したとのことです。桂林ではお店が約3000店もあるそうで、まさに地元の人のソウルフードになっています。その桂林米粉を福岡で食べることができます。西新にあるこのお店ではスープがある米粉とない米粉、それに炒めた米粉やチャンポンにしたものなどが食べられます。とにかく米粉の食感が独特で、ここでしか味わえないおいしさです。ホームページにはこう記載されています「桂林で300年の歴史がある米粉店・廖(りょう)家の指導で麺とタレを完成。原材料は全て日本で調達し、独自の製法で麺からトッピングの品々を作りました」。本場の味を再現しようという意気込みが感じられますね。米粉以外の一般的な中華のメニューも豊富で、しかも非常にリーズナブルな価格になっています。店内もきれいで清潔です。西新商店街の中にあって、カフェのように気軽に入れる雰囲気なのも好印象です。ここで桂林米粉を食べて、遠い桂林の風光明媚な景色に想いを馳せるのもいいかもしれません。

福岡市早良区西新4-8-36
092-852-2788

今週の作品 横光利一 「上海」
この小説の舞台は1920年代の上海です。この頃の上海は実に興味深い状況にあります。東洋のパリと言われるまでに繁栄しており、様々な民族様々な文化が流入し混在していました。イギリスを筆頭に列強各国の資本も投入され企業は多数進出する一方で、ロシア革命から逃れて没落した上流・中流階級の白系ロシア人も多く存在しました。いわば類の異なる人間を同じ街に詰め込んだらどうなるだろうか?と誰かが実験でもしているような混沌とした社会を形成していました。横光利一が芥川龍之介に勧められて渡った上海はそういった状況にありました。そんな街を目の当たりにすれば彼でなくとも創作意欲はそそられたことだろうと思います。上海ではちょうどこの頃、1925年に「五・三〇事件」が起こります。これは、日本資本の綿紡績工場の争議中に死傷者が出たことをきっかけとして徐々に抗議活動が拡大し数千人規模のデモにまで発展し、それを鎮圧しようとして更に死傷者が出た事件です。この事件はその後の反帝国主義運動にまでつながっていきます。横光利一はこの「五・三〇事件」を物語の背景としています。展開もスリリングで、かつ他の作品同様風景描写が素晴らしく、ストーリーも面白いです。映画にしたらさぞかし大作になりそうな感があります。とにかく最初から最後まで楽しめる文章の巧みさには全く舌を巻いてしまいます。洗練された美しさと磨かれた知性と嫌味のないかっこよさがあります。これぞ新感覚派の文章です。大衆小説的面白さがあって、しかもこの文章ですからこれ以上何を求めるべきでしょうか?えしぇ蔵的には横光利一の代表作の中でも特に秀逸なのではないかと思います。絶対的にお勧めします。是非読んでみて下さい。
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