この日記は全てノンフィクションであり、登場する人物・団体名などは全て実在のものです。
3月
3月31日(火)晴れQueen
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
 
寝言
 
ウイルホーム」様にお伺いした時のことでございます。太田の后様が社長の帝の寝言について教えていただいたことが大変おもしろうございました。
「帝に、おいと呼ばれて返事いたしましたところ、それは寝言だったことなどは数えきれませぬ。先日は歌など歌っておりました」
わたくしは、寝言で契約した話など、社長の帝の寝言についてはいろいろとお聞きしておりましたが、寝言で歌といふのは初めてお伺いしました。
「それはまためずらしきことにございます。どのやうな歌を歌われるのでございますか」
「曲まではわかりませぬ。なにやら鼻歌でふんふんと」
 
寝言にて 鼻歌うたふ そのよこで
合いの手入れし 后様かな
 
いとめずらしきことゆえ、わたくしもいつか聞いてみとうございます。
 
 
店長の后様
 
住まいのイシダ」様では店長の后様に小ネタをいただきました。
女官のF井が書類を書きながらこう申しました。
「履歴の履の字をど忘れいたしました。どのやうな字でございましたでしょう」
そこで店長の后様が申されました。
「あれ、あれでございます、りは履歴の履でございます」
わたくし、吹き出さずにはおれませんでした。
 
履歴の履 文字をわすれて 尋ぬれば
履は履歴の履と 言われ虚しき
 
他にも后様は、ぱわーきゃんぱす というのをうまく言えず、
「きゃ、きゃ、きゃわーぱんぱす!」
と申されてました。
店長の后様本日絶好調でございました。
 

 
夜桜の宴
 
今宵は「東部ハウジング」様にさそわれて夜桜の宴にいきました。太政大臣のN嶋様、右大臣のA貞様、左中弁のO様、少納言のK様の「東部ハウジング」の方々をはじめとしまして、古賀市の不動産業の方々、関連業者の方々も数多お集まりになりました。以前「東部ハウジング」様にご在籍でした、前(さきの)中納言のO田様もおいでになり、久しぶりにお顔を拝見できまして本当に嬉しくおもいました。
桜の花はまさに盛りの頂きにありましてそれはそれは美しく、微かな風に散る花がひらひらと舞う風情はなんとも言えぬ趣きがございました。ただ春の宵とはいえ寒さが残っておりまして、そのせいかわたくしは飲んでも飲んでも酔いがまわらずにおりましたが、わたくしの隣の右大臣のA貞様は麦酒をお過ごしになられたのか大変絶好調になられまして、下ネタ全開で愉快そうに騒いでおられました。
 
花のごとく 今が盛りの A貞様 
さむき下ネタ 風に散りけり
 
おかげさまで楽しい春の宵となりました。心より感謝申上げます。
 
 
「縁」
 
風に舞う 桜の下に あいつどい
盃かわす これも縁(えにし)か
 
3月30日(月)晴れU2
ソウルからずっと腰が痛い。こういう時は「中国鍼灸院」の呉先生。おかげでスッキリ。今更だがソウルに行く前に治療してもらってたらソウルでは痛くならなかったのではないだろうか?ちと知恵が足らんかったな。
というわけで本日の漢詩。
 
「順」
 
呉 炳宇
 
順心想、 (心想うに従えば)
人常楽。 (人常に楽し)
順意聞、 (聞きたいものに従えば)
美音楽。 (音楽は美し)
順人言、 (人の言に従えば)
皆双喜。 (皆ともに喜ぶ)
順天地、 (天地に従えば)
得道易。 (道を得るは易し)
百川不止貴在順、 (百川の止まらざるは従うことにあって貴し)
生命不息順如神。 (神の如くに従えば生命は止まらず)
 
心想うままに従えば 人は常に楽しい
聞きたいものだけ聞けば 音楽は美しい
人の言うことを聞けば 皆喜ぶ
天地に従えば 道を得ることはやさしい
たくさんの川が止まらないのは自然に従っているから
神様に従えば人間も長生きできる
 
訳:えしぇ蔵
 
いいねぇ。いろんなものに従うこと。流れに身を任せ、常に自然体でいること。大事だねぇ。
 
コスモ不動産」さん、「システムハウス」さん、「ユーキハウス」さんとまわった後、「九州大学病院」へ。術後の診察。今日は手術の執刀をして下さったS先生も来られた。予想より回復が早いとのこと。手術前とのギャップがあまりに激しいのでS先生が「最初どんなになってたっけ?」と言われたのには笑った。ご自分の仕事に満足されている様子だった。口下手なワシは月並みな御礼しか言えなかったが、内心では足元に跪いて靴でも舐めようかというくらいに恐縮と敬意と感謝の気持ちでいっぱいだった。
(S先生、本当にありがとうございました。うまく表現できなくてすいません。)
 
「したがふ」
 
人常に 心おもふに したがへば
得るにやさしき おのが平安
 
3月29日(日)曇りDream Theater
午後、姫を連れて浄水通の「NIIHARA」でランチ。その後、福岡市美術館で開催中の「レオナール・フジタ」展を見に行った。たっぷりと感動させてもらった。腹いっぱいという感じ。いい芸術は心の栄養だ。たまには補給しないとな。
 
絵画とか彫刻とか文学とか音楽とか、もともとないものを創造して人に感動を与えるというタイプの仕事においては、結局は己のスタイルを確立してそれを貫き通すことが最も大事なのかもしれない。師匠と意見が対立しても、世間に無視されても、メディアにたたかれても、信じた道を迷わずに歩き続けた者が最終的には勝者となるのではないだろうか?どうもそんな気がする。
あぁ俺何やってんだろ?書かないと!人生がもったいない!
 
「風」
 
散る時を 迷う桜や 風寒き
 
3月28日(土)晴れのち曇りなし

 
シューポート」さんで靴の撮影をした。今日は久しぶりに野外で撮影。何年か前にともちゃんをモデルにした撮ったっけなぁ。今回のモデルはえりちゃん。足のきれいな人が履くと商品が引き立つね。だが今日は寒かったからえりちゃんとみつださんにはちょっと大変だったかも。
 

 
その後はプラリバの休憩室でショッピングカートに写真をアップしたり、コメントを書く作業。このコメントが面白いんだな。若い女の子をターゲットにした商品が多いからいわゆるギャル系の言葉で書かないといけない。例えば・・・
 
「ヒールなしペタンコサンダル。ゆるカワスタイルにピッタリ!!」
 
とか、
 
「トレッキング風ブーツの進化形!!本皮ハラコ素材。なんと牛柄!!モウモウで目立っちゃおうー!!」
 
とか、
 
「オープントゥのブーティー。ボーダーマリンに合わせてカッコカワイく!!」
 
・・・みたいな感じ。これらはスタッフの皆さんがギャル系の雑誌を買ってきて研究を重ねた上に書かれたもの。普通に書いてもダメなんだな。世代にあわせないとね。難しいもんだ。ちなみに今時のギャル系雑誌の文章には漢字が少ないらしい。おいおい。
 
「齢」
 
ギャル系の ことばでおもふ 齢(よわい)かな
 
3月27日(金)晴れGlenn Herbert Gould
ウイルホーム」さん、「Rプランニング」さんとまわった後、久留米へ移動。「WOODS」の森社長と「江田建設」の江田専務と「TOTOリモデルクラブ久留米店会」のホームページの打ち合わせ。
今日こそは先に写真撮ってやろうと江田専務が車を降りる時の不意をついた。よっしゃ、今回は勝ったと思ったがその後、森社長の事務所にいる時に撮られてしまった。帰りには森社長にも撮られてしまった。明日あたり両者のブログに載ってることだろう。
 
今夜は姫は夕食をすませてくるということなので、ワシは一人で酒盛りした。明日のえしぇ蔵クッキングの仕込みをしながら、有り合わせのおかずで焼酎を飲んだ。今度の焼酎もうまい。我が家は頂き物で食っていけるのではないかというぐらいいろんなものを頂くが、中でも日本酒と焼酎には苦労しない。ここ数年自前で買ったことがない。しかもいいものばかり頂くので開けるのが毎回楽しみ。今回の薩摩の芋焼酎も珍しいものらしく、香り、味ともになんともたまらない。アジの三杯酢やら明太子やらをつまみにお湯割りで飲む。今夜のBGMはグレン・グールドの「ゴールドベルグ バリエーション」。あぁ実にいいねぇ。これにきれいなおねーちゃんがいれば・・・なんて言うと姫からカナディアン・バックブリーカーを喰らうのでそれは我慢。
だが今日はそんなに酔ってはいられない。明日の仕込みを失敗しないようにしないと。なかなかいい感じにはなったが、あとはじっくり煮込まないといけないからその後の味がどうなるか・・・かなり心配だが、まぁ失敗しても食えんことはないだろう。
 
「家族」
 
和むもの 昼に花見る 家族かな
 
3月25日(水)晴れRon Carter
「村田運送」さん、「三開発」さん、「太田自動車鈑金」さん、「粕屋のお客さん」とまわった。
リカちゃんであちこち移動してるといろんな場所で桜を見るが、今年は開花の状態がバラバラ。満開のところがあれば、五分咲きにも満たないところもある。葉桜もあるし早いところでは散ってる。この差は何なんだろう?そして共通して言えるのは例年のように「お!」と立ち止まるほどの美しさではない。桜もこの気候に戸惑っているのか?
 
毎朝30分は宅建の勉強。これって法律の勉強だな。まるで司法試験の準備のように小難しい法律の文章の意味を読解していかなければならない。それにしてもどうしてこんなに難しく書くんだろう?表現の仕方を工夫すればもっと判りやすくなると思うんだけどな。
例えば・・・
 
「登記可能な不動産に関する物権の得喪・変更は、登記をしなければ第三者に対抗できない。」
 
・・・なんて堅苦しく書かずに、
 
「登記ばできる不動産の権利を得たり無くしたり変更したりする時はくさ、ちゃーんと登記ばしとかな誰かになんか文句言われた時に何も言えんごとなると。だけん、ちゃーんと登記ばしとかなつまらんと」
 
・・・みたいに全部「みぞえ住宅」のみぞえさんか、武田鉄也のお母さんのように言えば理解しやすくなって、少なくとも福岡県内の合格率はアップするのではないだろうか?
 
「法律」
 
法律の 四十路の脳に 入り難し
 
3月24日(火)晴れMilt Jackson
WBC優勝!!!今日はこれだけでいいやろ。イチローは男だね。
女官のF井が狂喜乱舞する姿が目に浮かぶ。
 
「男」
 
期待され 期待にこたえて 男かな
 
3月23日(月)晴れなし
5時半起床で空港へ。早い便で帰って仕事復帰しなければ。今朝は晴天で寒さも和らいだ。空港に着いてから朝食。九時半の便で福岡へ。さらばソウルよ、また来るでよ。次回は何を食おうかいな?
 
11時には福岡着。すぐに仕事へ。「リバティ」のガルシアしゃちょー宅と、「コスモ不動産」さん、「ユーキハウス」さんとまわった。今日はさすがにあまり無理はしない。早々に帰宅。
 
あぁそれにしても今回も楽しかった。普通じゃできない体験もあったし、また一つ人生勉強になった。旅はやっぱり勉強だな。たくさん旅をした人は人間性において優れているということがいえるかもしれない。日本という枠を飛び出して、それまでの常識を全く超越した世界を見るわけだから思うところもいろいろあるだろう。生きることに関して深く考えもするだろう。かわいい子には旅させろというけどまさにその通り、人須く旅をすべしだ。
 
「名残」
 
離陸して 雲間のソウル 名残惜し
 
3月22日(日)晴れのち雨なし

2日目の朝は充実のビュッフェで始まった。また食い過ぎないよう控え目に選んだつもりなのに、食べ終えてみればまた今回もかなり満腹状態。どうもビュッフェはうまくいかない。大食は大罪の一つなんだがな。腹ごなしにちょいとビリヤードで遊んだ。
 
今日のメインイベントは国立博物館。九国真っ青の規模と設備がありながら入場無料という太っ腹。税金もこういうところで還元されると納得いくわな。
それにしても白磁、青磁の美しさには参った。完全に降参。姫のおかげでいいもの見せて貰った。
 
お昼は麦飯のビビンバ。これまた美味。あっという間に食ってしまった。野菜ばかりだったので胃もさっぱり。実に健康的な昼食。
 
少し散歩した後に前日の盗難の証明を貰いに警察へ。姫がぺらぺらと韓国語で説明するのに警官は驚いていた。そのうち雑談になって、財布をなくしたホルモン屋はおいしいの?みたいな話をしているらしく、ワシをさしおいて警官二人と話が盛り上がってやがる。ちきしょーめ、さっぱりわかんねーよ。
結局証明を貰うために別の警察署へ移動ということになり、なんとパトカーに乗せられた。無精髭はやしてサングラスかけたワシがパトカー乗るのを見ておそらく街の人に「あいつ捕まったんやねぇ」と思われたのは間違いない。
それにしても先々の文筆業の肥やしになるとはいえ、韓国でパトカー乗って警察署に連れて行かれるとは思わなかった。この機会を利用してしっかり内部を観察させて貰った。
証明を貰った後は警官が帰り道を教えてくれたが・・・・・・帰りは送ってくれんのね。(泣)
それにしてもなんと親身な対応だろう。ワシは車上荒らしにあった時など、数回警察に助けを求めたが親切どころか真剣さすら感じなかった。韓国の警察の対応見せてやりたいよまったく。
 
カフェで休憩した後、買い出しへ。姫は単身デパートの人込みに突入。ワシは入口で待つことにした。そしてしばらく後に戻って来た姫の姿に唖然とした。カートは漫画のように山盛り。一瞬冗談かと思った。あんた戦後の買い出しじゃないんだからと言いたいくらい半端じゃなかった。半分はそのまま配送して半分を抱えてホテルに戻った。
 
最後の晩餐はカムジャタンの店へ。これはうまいんだが辛い!半端じゃなく辛い!胃腸がびっくりしそうなので汁は飲まずにひたすら具だけ食べた。最後のポックンパはまた格別!二人してただ無言で食った。
そんな感じでどたばたの二日目も無事終了。
 
「カムジャタン」
 
うまいけど 辛いけどうまい カムジャタン
 

 

3月21日(土)晴れなし
懲りないワシらはまたしてもソウルへ。それにしてもまぁ姫の韓国好きは筋金入りだ。会話はどこに行っても聞き返されることなくスムーズに交わされ、歩きぶりはまるで我が街を行くごとしだ。我が嫁ながらたいしたもんだ。最初の頃は看板もメニューも読めず、地下鉄の切符と間違えて宝くじを買ったりしていたのが嘘みたいだ。
 
午後3時半くらいにホテル到着。えらく豪華なレジデンスだ。2泊では勿体ない。ジムもあるしビュッフェも充実している。ビリヤードテーブルまで!一ヶ月くらいいたいやね。
 
荷物を置いてすぐにインサドンに繰り出した。夕食を遅くとる予定なのでまずはマンドゥで軽く腹拵え。毎回うまい店ばかりチョイスする姫だが今回もまたいきなりうまいんだなこれが。皮がしみじみうまい。日本の餃子の店も皮にもう少し力を入れて欲しいね。
 
インサドンでぷらぷらと買い物した後は中部市場で食材の買い物。旅先の市場で得られるものは食材だけではない。人々の生きる力を感じ、生の民族性に触れることができる。そしてなにより旅をしている実感が湧く。旅情は市場にありだ。
 
市場の後、買ったものをワシに預けて姫は化粧品を買いにデパートへ。近くの広場で一人本を読みながら待っている時にビニールの袋の口が開いて市場で買った棗がコロコロ・・・
 
我一人 異国で棗 ひろふかな
 
ファッションもきめてサングラスもかけているというのに人がたくさんいる広場で一人棗を拾うおっさんの絵はいただけない。戻ってきた姫にそのことを話したら腹抱えて笑っていた。
 
夜はめっちゃうまいホルモンにありつけるというのでついて行ったら確かにめっちゃうまかった。えらく活気のある店で叫ぶように話さないと聞こえない。ホルモン食ってビール飲んで叫ぶ、ホルモン食ってビール飲んで叫ぶの繰り返し。人生楽しいやね。
 
さぁ帰ろうかという時に姫が財布をなくしたことが判明!幸いお金を別に持っていたから被害は少なくて済んだが、姫はその後カードをとめるためにいろいろと忙しかった。
ワシらの旅にどたばたは欠かせない。
 
「財布」
 
酔うてのち 財布なくして しらふかな
 

 
3月20日(金)晴れなし
世の中は祝日だがワシはいつもの金曜日となんら変わりなし。「ウイルホーム」さん、「Rプランニング」さん、「質みよし」さんとまわった。
質みよし」さんではいつもより撮影する着物の量が多くて結構疲れた。社長はワシの顔見るたびに「いい男になった」と言う。思えば「質みよし」さんとの契約が始まった頃には既に血管腫があったから社長はひどい顔の時しか知らないわけだ。
手術が終わって既に2ヶ月だが未だにいろんな人に「治ってよかったねー」「きれいになったねー」と言われる。その度に普通でいられるありがたさを感じる。何も特別である必要など全くない、ただ普通であるということがいかにありがたいことか、そこに一つの真理があると思う。一生のうちに悟れる真理は誰しも少ないだろうが、ワシが血管腫の一件で一つそれを会得したのは思えば非常に幸せなことかもしれない。
 
「幸せ」
 
幸せは かけて探せる 眼鏡かな
 
3月19日(木)晴れDream Theater
今日から早朝30分は宅建の勉強をすることに決めた。ワシの集中力は好きなことならなんぼでも続くが勉強となると30分が限界。ならば毎日30分を積み重ねて、自信がついたところで受ければいいわけだ。頑張るばい!人生楽しまにゃ!
 
4月19日(日)午後1時から「ル・フラマンローズ」さんでワイン会がある。今回はワシも参加しようかなと思う。普段とても手が出ないようなワインの味を知るにはこういう機会を利用するのが得策だな。
 
一週間のうちで木曜日が一番忙しい。午前中は「ヘアーショップ ムーヴ」さん、「あおば不動産」さん。午後は「アルファホーム」さん、「センチュリー21 小笠原」さん、「大新住宅」さん。帰宅は7時半くらいになる。
仕事がスムーズに運べばどれだけ忙しくても疲れない。問題が発生したり、思ったよりはかどらないという時にストレスが発生して疲れる。だがストレスの要因というのはよく考えて予め準備しておけば未然に防げるものが多い。受身になってはいけない。自分が動いて仕事もお客さんも合理的に動けるように仕向けていかないといけない。それが最終的にはお客さんの満足にもつながる。今日はなんかそんなことをちょいと考えた。
 
ネットで注文しておいた五木寛之の「青春の門」1部から7部まで全14冊セットが届いた。しばらくは五木寛之の世界に浸るか。それにしてもいよいよ本を置く場所がなくなってきたけどどうしよう?
 
「春霞」
 
春霞 路ゆく人の マスクかな
 
3月17日(火)晴れDream Theater
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
 
怪我
 
ウイルホーム」様にお伺いした時のことでございます。太田の后様が足をひきずっておいでになりましたので、わたくし心配になってお尋ねしました。
「足はいかがなされたのでありましょう?」
「これは姉の家に参りました時に挫いたのでございます」
「それはそれはお気の毒な。なにをしておいでの時でございますか?」
「庭でちょっと踏み外したのでございます。足が変なふうに曲がりましてわたくし転んでしまいました。そのときに身体をしたたかに打ちまして、ひどく痛みますのでしばらくそこにうずくまっておりました。するとそこへ姉が飼っておりますバカ犬が参りまして、わたくしがじっとしているものですから遊んでくれるものとばかりに勘違いして、動けないわたくしの顔をべろべろ舐めるのでございます。追いはらうにも声も出せない状態でございまして、ほんとうにひどい目にあいました」
「それは災難でございました」
 
目の前に 動かぬ人の ありつれば
顔なめまくる 姉のバカ犬
 
もしやバカ犬は后様を心配していたのではないでせうか。
 
 
さいばば
 
住まいのイシダ」様にお伺いした時のことでございます。女官のF井がふたたび占いのことを話題にしておりました。
「神宮様、あの占い師の話ですがつづきがございます。あの後、姉も同じ占い師に結婚できるかどうかをみてもらったそうにございます。姉はその結果をわたくしに電話で報告してまいりました」
「どのやうな結果だったのでせうか」
「はい。長身でスレンダーな猿顔の人と2年後に結婚できると言われたそうにございます」
「それはめでたいことで」
「わたくしその時電話口でよく聞き取れませんで、長身でスレンダーなサイババ?と訊き返してしまいました」
「長身でスレンダーなサイババなどにはあまり会いたいとは思いませぬが。それで姉上様は?」
「結婚できると聞いて大変喜んでおりましたが、結婚はできてもその後に母かわたくしの借金を背負わされると言われたそうにございます」
「それはお気の毒なことで」
店長の后は横でお聞きになり、なにやら真剣な顔で申されました。
「わたくしもみてもらいとうございますが、あなたは旦那さんと一生添い遂げるなどと言われたらわたくし悲しゅうございます」
店長の后はこれからの人生どうなさりたいおつもりなのでございませうか。
 
長身で スレンダーなる 人なれど
顔サイババなら 興も冷めしか
 
お姉様のご多幸をお祈り申上げます。
 
 
これだけ不動産業界にどっぷり浸かってるから宅建でもとってやろうかとちょっと企んでいたりする。それで「コスモ不動産」の副田社長に参考書を借りて来た。今年は無理だろうから来年でもトライしてみるかな。「ウイルホーム」の太田社長や「東部ハウジング」のN嶋さんにアドバイスを頂いた。およそ今まで資格というものをとったことがないから一つぐらい持ってみたいもんだ。ただ結構難しいみたいだから一回でパスは難しそうやな。気長に頑張るか。
 
宮尾登美子先生の本を読むとついつい夢中で読んでしまって他のことができなくなるから要注意だ。それにしてもどうしてこんなに面白く読み進んでしまうのだろう?ワシなりに分析してみた。要するに一つの文章が長く、流れるように進んでいくからではないだろうか?
例えば・・・
 
(普通の文)
テーブルの上においしそうなみかんとりんごがあった。えしぇ蔵はどちらも好きなのでみかんにするかりんごにするか迷ってしまった。いろいろと思案した挙句、みかんを食べた。しかし食べながらやはりりんごがよかったかなと思った。
 
という文章を、宮尾登美子先生風に書くとこうなる。
 
(宮尾登美子先生風)
テーブルの上ではみかんとりんごが競うごとくえしぇ蔵を誘っており、どちらも好きな彼をしてここはみかんをすするか、りんごをかじるかとつれつれ思い惑わせていたが最期に彼はみかんを選ぶに至り、その果汁を味わいつつもやはりりんごにすべきではなかったかと後ろ髪惹かれる思いは優柔不断な彼の胸の隅に未だに燻っていた。
 
という感じになる。同じ内容でも書き方によってひきつけもすれば飽きさせもする。優れた文章力は一種の魔法だな。
 
「宅建」
 
四十路にて 机にむかひ 目指すもの
宅地建物 取引主任者
 
3月16日(月)晴れ舘野泉

中国鍼灸院」の呉先生に中国のことわざ「狡兎有三穴」を習った。

呉先生:「狡い兎は三つの穴を持つということ」
ワシ:「どういう意味ですか?」
呉先生:「兎は地下に穴を掘って巣を作るネ」
ワシ:「はい」
呉先生:「その時に必ず出口を三つ作るヨ」
ワシ:「へー」
呉先生:「一つの出口がダメになっても他に二つある。要するにどんなことでも三つ解決策を用意しておけば大丈夫ということ」
ワシ:「なるほど。三つというのがポイントですね」

プランBまで用意しておくという人はたまにいるが、さらにもう一つ用意していないとダメと言うことだな。なるほど。
 
今夜は姫が料理教室なのでお留守。自分で何か作らないといけない。じゃがいも、たまねぎがあるので牛肉を買ってきて牛肉とじゃがいもの炒め煮(それ肉じゃがやろーもん)を作った。それをつまみに伊佐美のお湯割りを飲む。BGMは舘野泉氏のピアノ。うーん、いいねぇ。以前は一人の時にはテレビを見ながら飲んだが、今は特に見たい番組もないのでいい音楽を聴きながら、いい本を読みながら飲む。本は宮尾登美子の「寒椿」。宮尾先生の文章は完璧だ。うまいもの、うまい酒、いい音楽、いい文学・・・最高やな。これにいい女がいれば完璧だがそんなこと言ったら姫からフィッシャーマンズスープレックスを喰うからそれは我慢するとして、とにかくいい春の宵になった。
 
ところでこの舘野泉氏、ご存知であろうか?リサイタル中に脳溢血で倒れ、その後遺症で右手が使えなくなったが、その後も左手だけで演奏活動を続けている。なんと強靭な意志であろう!強烈に教えられるものがある。奪われても残されたもので全力を尽くす。限られた人生において出来得る限りのことをする。これに勝る強く美しい生き方はないのではないだろうか?
何が不満なんだ?お前には手があるだろう?足があるだろう?考える頭があるだろう?そう言われれば一言も返せない。神によって与えられたシチュエーションを活かさないのは一種の罪だ。足は歩むためにある。歩まずにどうする?
 
ウイルホーム」の社長の奥さんのお父様(山口さん)の著書(「非戦闘の中の戦闘」、「断想寸描」、「にってん随筆集」)を読ませて頂いた。幾多の修羅場を経験され、数多の戦友の最期を見とられ、悲しみを乗り越え強く生きられて今90代。山口さんの世代の人々の生き様に出来得る限りの敬意を表さずにはいられない。ワシらはたまたま楽な時代に生まれた。山口さんの世代は一番大変な時代に生まれた。山口さんたちの必死の奮闘がなければ今のワシらの楽な生活はない。全ては積み重ねだ。全ては受け継ぎだ。ご年配の方々に礼節を!偉大なる先祖に敬意を!
 
「ぬくもり」
 
ぬくもりの 中に浸りて ぬくもりの
恵み忘るる わが世代かな
 

3月14日(土)晴れStray Cats
シューポート」さんのホームページのリニューアルが完了した。商品はまだ少ないがショッピングカートもできた。さて、これからが勝負だな。結果を出さなければ。仕事とは結果を出すこと。途中なんぼ頑張っても結果が出ないなら無意味と教えてくれたのは誰だったけ?「コスモ不動産」の副田社長やったかな?
 
午後は「江田建設」さんにお邪魔して専務と打ち合わせ。また今回も油断してる隙に写真撮られた。毎度毎度専務は不意を突いてくる。次回は絶対にワシが先に写真撮ってやる!
 
買物してから帰宅。今日は超久しぶりにえしぇ蔵クッキング。チキンのトマト煮を作ったが・・・・・・おいしくねーんだなこれが。せっかくのホワイトデーなのに姫には悪いことをした。やっぱワシって洋食下手かも。
ESEグルメを始めて10年になるが、ありとあらゆるものを食ってきたせいか自分の料理のまずさがよくわかる。それに姫の料理を食べ慣れてるせいもあるかな。姫が「おいしい」と言ってくれる日までまだまだ修行はつづく・・・。
 
「味」
 
己が味 未だうなづく ものはなし
 
3月13日(金)雨Yes
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
 
ウイルホーム」様にお伺いした時のことでございます。賃貸管理物件の中に阿恵荘というアパートがございまして、その物件内容のことでわたくしが太田社長の帝にお尋ねしていたところ、帝がこうおっしゃいました。
「会えなくても阿恵荘などといふもおもしろきかな」
わたくしどのやうにお答えしてよいやら困じ果ててしまいました。S井の宮様は固まっておいででございましたが、わたくしが
「どのやうにいたしたらよろしいでしょう」
とお尋ねしましたところ、
「座布団一枚でよろしいのではないでせうか」
とS井の宮様より御答えがありました。わたくしは納得致しかねるものがありましたので、
「あれで座布団一枚とはまことに寛大なご処置で」
と言いますと、
「さしあげるのではありませぬ。とりあげるのです」
との御答えでございました。いかにも賢明なご判断で。
 
会えなくて 阿恵荘などと いふひには
帝の威厳も 地に落つるかな
 
帝にもなりますと下手にだじゃれをいふこともはばかられます。
 
 
午後からは、「Rプランニング」さん、「大新住宅」さんとまわった後、高速に乗って小倉へ。「行徳クリニック」さんにお邪魔して行徳先生に、アンチエイジングの秘密兵器、「テノール」をして頂いた。この機械は肌の深部に熱を与えて血行をよくし、肌の若返りをはかるというしろもので、今回で2回目の体験。前回同様、やはり顔の肌がピーンとはる感じがする。これでなんぼか若返ったかな?
 
今夜はお久しぶりの「えしぇ蔵日記の会(群英会)」。いつものように錚々たる人々が集まったが今回の主役は大牟田からわざわざお越しの「古雅書店」の古賀さん。あらゆる分野におけるその造詣の深さにはみんな度肝を抜かれていた。生き字引という言葉があるが、古賀さんは生き百科辞典とでも表現すべきか。会話を録音しておきたいくらい勉強になる話が次から次に。こんなすごい人と知り合えたことに感謝せずにはいられない。
その古賀さんの膨大な蔵書の中から、なんと「雷山千如寺」の蔵印のある江戸時代の書物が見つかった。今回はそれを持参され披露して頂いたが、和尚さんは感激しておられた。文政・文化の時代のものということなので今からおよそ200年近く前の書物ということになる。それが長い歴史の中で人から人に伝わり、どの時点かで「雷山千如寺」の所有になっていたわけだそれが再び旅をし、現代において大牟田の「古雅書店」さんの蔵書の中におさまっていて今また当代の住職と再会するなんて、なんとドラマのある話だろう。鳥肌ものの感動に襲われた。その書物は仏教を学ぶ時に使われるものだそうな。これで今まで何人もの人が勉強してきたわけだ。いろんな人の生き様を見て、いろんな土地の空気にふれ、時代の変遷を見て、200年近く生き続けているわけだ。人間の一生は短いが本は大事にすればこうして歴史の証人になる。実にいい感動と教訓を頂いた夜だった。
今回お集まり頂いた、「古雅書店」の古賀さん、「雷山千如寺」の和尚さん、「行徳クリニック」の行徳先生、「粕屋のお客さん」の社長、「太田自動車鈑金」の太田社長、いい快気祝いになりました。ありがとうございました。

「春の宵」
 
人生の つわものここに あい集い
盃かわす 春の宵かな
 
蔵 
3月12日(木)晴れRod Stewart
ヘアーショップ ムーブ」さんで、どういうきっかけからか、ロッド・スチュワートのことが話題になった。20代の若い子たちはロッド・スチュワートを知らないそうな。そうか。思えばロッド・スチュワートも既に64歳。20代なら孫くらいの世代だな。そりゃ知らんのも無理はないが・・・だが!ロッド・スチュワートは知っておいて欲しい!偉大なるロックアーティストだ。偉大ならボーカリストだ。いろいろ問題も起こしてきたが、ロックに生きる人間がおりこうさんなわけがない。後世にロックの歴史を辿る時、必ず名前が上がるアーティストの一人であり、流行の波の中で浮き沈みする軽い存在では決してない。是非知って欲しい、是非聞いて欲しいと思うおっさんえしぇ蔵40歳の心のうち。
 
「魂」
 
年経ても 熱き心に 老いはなし
 
3月11日(水)晴れKing Crimson
駅前のYさんとの会話。
 
Yさん:「ちょっと加勢して」
ワシ:「何をですか?」
Yさん:「チョコレート。食べきれんちゃ」
ワシ:「ひょっとしてバレンタインのチョコがまだあるんですか?よっぽどいっぱい貰ったとでしょ?」
Yさん:「もろうた、もろうた。今日クッキーば買いにいかないけんと」
ワシ:「お返しですか」
Yさん:「1,000円のもろうて1,000円の返すちゅうわけいかんめぇが?やっぱ倍返しせないけんけぇ、やおいかんばい」
 
お返しに困るほど貰ってみたい・・・。
 
 
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
 
続・空腹
 
三開発」様にお伺いした時のことでございます。としこの方様より書類作成の依頼がございました。
「神宮様、これこれこのやうな書類を作っていただけませぬか?」
「かしこまりました」
「源氏物語風でお願いいたしとうございます」
「これはしたり。源氏物語風とは。さてもおもしろきとしこ様でございますな」
「先日はわたくしのことを書いておいででございましたね?」
「お腹がお鳴りになった時でございますね」
「もう嫁に行っているからいいものの、あのやうに書かれてはわたくしの立つ瀬がございませぬ」
「たしか以前にもお腹が鳴ったことをネタにしたことがございました」
「このままではわが殿に離縁されてしまいまする」
「ではイメージアップになるネタをいただきますれば書いてさしあげます。どうぞ空腹以外のネタを」
「・・・これといってありませぬ。空腹といえばわたくし社会人になりましてのち、簿記の試験を受けたことがございましたがその時にもお腹が鳴りまして、挙動不審者のやうに慌ててしまいました」
結局はご自分で新たな空腹ネタを提供して下さるとしこ様でございました。
 
ひるどきに 桂川町に 鳴りわたる
としこの方の 腹の音かな
 
 
昼間はすっかり暖かい。あぁやわらかい日差しの中であげひばりの声を聞きながら昼寝してみたいもんだ。
 
「あげひばり」
 
野辺の春 いづこで鳴くや あげひばり
 
3月10日(火)晴れBiily Joel
東部ハウジング」のN嶋さんにおもろい定食屋の話を聞いた。その店にはおっちゃん一人しか働いてないのにテーブルに注文を聞きに来て、誰もいない厨房に向かって「○○いっちょー!」と叫び、その後自分で厨房に入って、「はいー!○○いっちょー!」と叫んで作り始めるらしい。出来上がったら「○○あがりましたー!」と叫び、厨房から出て来て「はいー!○○お待たせー!」と叫びながら持ってくるらしい。ドリフのコントじゃないんだから。おまけに会計の時に1万円で払うと「1万円入りまーす!」と叫ぶらしい。面白すぎるから絶対に行ってみたいと思ったけどおいしくないらしい。どーゆー定食屋?
 
今日は仕事が終わってから「梶原歯科医院」さんへ。ワシの血管腫の治癒に至る経過は梶原先生に始まった。先生の紹介で九大病院に通い始めて見事に治ったわけだから先生にはすぐに御礼を言うべきなのにずるずると今まで遅らせてしまった。先生のところに九大病院から事細かに治療の経過の報告がなされており詳細はご存知だったが、先生はワシの顔を見るなり、「うわ!きれーに治りましたねー!」と驚いておられた。先生の予想を上回る結果だったのだろう。ワシはまさに平身低頭、低く低く小僧寿しよりも低く頭を下げて御礼言上させて頂いた。先生との出会いがなかったらワシの人生はどうなっていたろう?相変わらずあの苦悩とともに日々を送っていると思うと本当に今の幸せが信じられない。またしても出会いのありがたさを痛感した。(梶原先生、本当にありがとうございました!)
お邪魔したついでに歯石の掃除もお願いした。またしばらく通うことになる。せめてもの御礼の気持ちとして日記に残してわずかながらでも宣伝させて頂こう。
 
「春はあけぼの」
 
ゆるやかに 空は白みて 静かなり
今こそわかる 春はあけぼの
 
3月8日(日)晴れなし
昨日の移動距離はすごい。午前中に西新の「シューポート」さんでショッピングカートの打ち合わせをした後、午後は高速で星の村まで移動して「星香園」さんへ。その後山越えしてうきはに出て「ル・シュクル」さんへ。そこからさらに冷水を越えて飯塚の「太田自動車鈑金」さんへ。またまた大野峠を越えて福岡に戻り、高速で「雷山千如寺」さんへ。さすがに疲れた。移動距離を記録してみればよかった。おそらくすごいことになってただろう。
 
そして今日の午前中は町内の寄合い。午後から「ベジキッチン」で開催された砂糖に関するセミナーを聞きに行った。そこで「穀物屋」の森光さんに遭遇。ホントに勉強熱心な人だ。セミナーの内容は大いに勉強になった。甘さは自然のものからとれるから砂糖はあんまり使わないほうがいいんやな。みんな!砂糖を使う量を減らそう!
夕方はジムへ。あ〜もうちょっと頻繁にジムに来たいな。
 
ついに「源氏物語」を読み終わった。う〜ん、文学的に充実した一ヶ月だった。
 
「多忙」
 
ゆえしらず めまぐるしきは わが人生
 
3月6日(金)曇りのち晴れAntonio Lucio Vivaldi
あぁついにその日が来たか・・・ここまでくればもうその日は見ないですむかと思ったこともあったが・・・やはり来たか・・・。
 
緒川たまき結婚。
 
今日で何かが一つ終わったな。だが高峰秀子と緒川たまきは永遠にワシの憧れであることに変わりはない。
 

 
「うつくしき人」
 
人として 見目うつくしく 生まれしも
神のあたうる つとめなりしか
 
3月5日(木)晴れのち雨Led Zeppelin
今夜は姫がお出かけ。おかずは用意してあるので一人で宴ときめこむ。
グラゴリアン・チャントをBGMに源氏物語を読みながら焼酎を飲むおっさんって端から見たらやっぱ変だろうな。まぁ子どもの頃から変な人と言われ慣れてるから自分が普通であるとはさらさら思ってもいないが。そもそも普通の人ほどつまらないものはない。個性あってこその人間だ。(でもそれって変な人の自己弁護の常套句だな。)
姫は帰って来た時、部屋の隅からかすかに聞こえるグレゴリアン・チャントを「風呂で誰か歌いよる」と思ったらしい。
「源氏物語」がだいぶ大詰めに来た。今は「宿木」。もう1ヶ月くらい雅な世界に浸っている。こうやって味わいつつゆっくり読むのもいいもんだ。
 
「お湯割り」
 
数杯の お湯割りわれを さそふらん
袖の香ぞする 雅な時代
 
3月4日(水)雨のち晴れSting
源氏物語風えしぇ蔵日記が一部でバカウケらしい。これはますますやめられぬ。
思えば今までいろんな書き方を試してきたもんだった。永井荷風風徳冨蘆花風横光利一風川端康成風森鴎外風久保田万太郎風尾崎紅葉風徒然草風ドストエフスキー風日本昔話風・・・まぁようするにワシは日記で小説の練習をしているわけなんだな。まったくこれにまさる練習の場はない。
普段のワシの日記の書き方は、壇一雄と丹羽文雄をミックスしたような感じだと自分では思っている。これが一番気楽に書けるスタイルかなと。でも最近は源氏物語風で書くのが一番楽しかったりする・・・。
 
「春弥生」
 
春弥生 菜の花うぐいす ふきのとう
役者揃いて 待つ桜かな
 
3月3日(火)雨The Mamas & the Papas
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
 
秘密
 
また雅な火曜日となりました。わたくしがご奉公いたしておりますえしぇ姫の后より「このやうな書き方では読む気がしませぬ」とのお叱りを受けましたが、雅な書き方をいたしますと常よりアクセスが多いようで、あながち嫌がられてもないのではとおもひますので今日もこれで書かせていただきとうございます。
 
ウイルホーム」様にお伺いした時のことでございます。太田の后様が出勤されますとすぐにわたくしにこう仰せになりました。
「神宮様、先日見てはならないものを見られたのではありませぬか?」
わたくしいささか心あたりがございましたが、なにやら不穏なご様子でしたので、
「はて、なんのことでございましょう?とんと覚えがありませぬ」
とお答えいたしました。
「覚えがないと仰せられますか」
「いっこうに・・・」
そこで后様はおもむろにチョコレートをわたくしに下さいまして、
「これは口止め料でございます。よろしいですね?」
とおっしゃいました。
先日、太田社長の帝が「携帯が見当たらぬ、携帯はいづこに?」と騒いでおられたのでわたくしたちも一緒に捜したことがございました(携帯は弁当の袋の中より見出だされたそうでございます。なに故に弁当の袋?)。その折りにわたくしは后様の机の引き出しの中のかりん糖をはじめとした数多(あまた)のお菓子を見てしまいました。后様がご心配になっておられますのはそのことでございます。わたくしが見たことを后様に密告したのはわたくしの隣におられますS井の宮様でございます。人の口に戸はたてられぬと申しますが、なかなかに油断のできない世の中でございます。
 
禁断の 引き出し覗く つみびとの
口を封じる チョコレートかな
 
 
占い
 
住まいのイシダ」様にお伺いした時のことでございます。女官のF井がわたくしに言いました。
「神宮様、先日わたくし占い師のもとに参りまして、結婚できるかどうかをみてもらいました」
「それはそれは。いかなる結果でありましょうや?」
「わたくし、七年後に結婚できるとのことでございました」
「あな、めでたや。七年後とはおいくつにおなりでありましょうや?」
「三十三でございます」
「相手はどのやうな人でありましょうや?」
「占い師が申しますに、刃物を使う人ということでございました。わたくし思わず『それは罪人ではありませぬか?』と言ってしまい大変恥ずかしい思いをいたしました」
「刃物を使う人とは、刀の研師かなにかでございましょうか?」
「いつの時代の話をされているのですか。料理人に決まっておりまする」
「ほぉ、それはまた良きお相手を」
「ただしそれにはわたくしが痩せることができたらという条件がついておりました」
「さてもしたたかな占い師であることよ」
このやうなことを話しつつ、F井は壁にかかった大きな白板の文字を書き換えるために棚の上に登りましたところ、ポコッ!という音がいたしました。F井は「て、て、天板がへこみましてございます!」とあせっておりました。占い師が条件をつけたことももっともであると申さずにはおれませぬ。
社長の帝は出かけておいででございました。F井は帝が戻られると仕事が増えるので「社長の帝は帰って来なくてよおございます」とこぼしておりましたが、それを聞いた店長の后様に「それでは帝が毎日帰って来るわたくしはどうなるのです!」と言われ、またしても返す言葉のないF井でございました。
 
痩せるなら 先の憂いも 消え去らん
占い頼る 必要もなし
 
 
「雅な日記」
 
我が妻に 読む気がせぬと 言われしも
今日も書くかな 雅な日記
 
3月2日(月)晴れThe Brian Setzer Orchestra
聞いた!今朝、今年初めてうぐいすの声を聞いた。いいもんだ。実にいいもんだ。春が来るっていいもんだ。
 
中国鍼灸院」さんでの会話。
 
ワシ:「うつ場所によって鍼の種類は変わるんでしょ?」
呉先生:「本にはいろいろ書いてあるネ。最初はそれを勉強することが大事。でも実際には患者さんの状態を見て決めるヨ。地図見ながら車で出かけた時に実際に行ってみると新しい道ができてたりして地図と違うことあるでしょ?地図と現実が違う時は現実に従うネ。それと同じ。いい医者は現実に従う。悪い医者は本に従うヨ」
ワシ:「なるほどね」
呉先生:「今日はえしぇ蔵にあげたいものがあるヨ」
ワシ:「お、なんですか?」
呉先生:「水墨画勉強してるて言ったじゃない?」
ワシ:「ええ」
呉先生:「それで馬を描いてみたヨ」
ワシ:「は?これ先生が描いたんですか?」
呉先生:「まだ下手くそネ。上手になったらまたあげるヨ」
ワシ:「いやいやいやいや、十分ですよ!めちゃめちゃすごいですよ!」
呉先生:「よかった」
ワシ:「うわー、本当にすごいですよ。額に入れて家宝にします!」


 
すごすぎる・・・落款入りだし。「蔵先生笑納」と添え書きもある。あぁ感動・・・。(呉先生、ありがとうございました!)
 
今日も漢詩を頂いた。
 
「亡羊補牢」
 
呉 炳宇
 
双中無心不為患、 (双中心無くば患にならず)
亡羊補牢尚未遅。 (羊亡くして牢補うは尚遅からず)
火心空時火更旺、 (火心空の時は火更にさかんとなり)
人心為公路不迷。 (人心公の為なら路に迷わず)
 
中が二つあっても心なければ患にならない(中が二つだと串になり複数の喜びを意味するが心がつくと患になってしまう)
羊がいなくなっても柵を修理するのは遅くない(次に備えることになるから)
火の心を空にしておくと火は更に燃える(焚き火で薪を積む時に中心を空洞にすると火はよく燃える)
人の心は公の為にあるなら路に迷わず(自分のことばかり考えると迷うがみんなのために考えると迷わない)
 
訳:えしぇ蔵
 
コスモ不動産」さん、「アルファホーム」さん、「ユーキハウス」さん、「ランドリー・キッチン」さんとまわった。
途中、少し時間があったので源氏物語を読んでいたら熟睡していた。どうしてこう眠いんだろう? 
 
「馬」
 
いななきも 聞こえくるかな 墨の馬
 
3月1日(日)晴れなし
世事に疎いのでとかく世間に置いていかれがちだが、最近は秋元順子という歌手が流行っているらしい。M島さん宅でCDを聞かせてもらった。なんかしみじみ「歌がうまいなぁ・・・」と思った。夢はあきらめなければ叶うというのを実践した人だから声にも磨きがかかったのだろうか。見事なもんだ。
 
ブライダルミュージアム ビッビ」さん、「リバティ」さんとまわった。「リバティ」さんとは、「ホテルぱれっと」のガルシアしゃちょーが牽引役となって結成されたプロのスカッシュチームで、スカッシュというスポーツの認知度を高めるために活発にイベントなどを展開されている。スカッシュの話を聞いていると楽しそうなのでちょいとやってみたくなる。でもワシとか足首ひねりそう・・・。
 
夜は姫と映画「ベンジャミン・バトン」を見に行った。だんだん若返る男と老けていく女の人生を描いた不思議な話。心に残るいい映画だった。人生に対して積極的になれる映画だった。それにしても異なった二人の人間を合成して一人に見せるという”コンツアーシステム”という技術には驚いた。あるシーンでは顔はブラッドピットで身体は違う人なんだが全く違和感がない。映画の技術もここまできたかと思った。だがストーリー的に非科学的設定なので随所に矛盾が目に付くが、この映画はそこを突っ込んでいけば感動が薄れるのであまり考えないほうがいいな。
 
「時」
 
憂きことも 楽しきことも 過去となし
時は黙して 過ぎゆきにけり
 

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